満ちくる朝潮


コレクション

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ジャンル

絵画(日本画等)

作者名

横山大観
YOKOYAMA Taikan

制作年

1952(昭和27)年

材料

紙本着色

寸法

169×173

署名

右隻 右下:大観 「」(白文印)左隻 左下:「」(朱文印)

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

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作品名欧文

Morning Tide
関連資料

解説

近代日本画を語る際に、横山大観の名を欠かすことはできない。明治以降、洋画が急速に台頭してゆく状況を危惧(きぐ)したフェノロサや岡倉天心によって新日本画の創造が目指されるが、大観は天心の指導のもとで、新時代の日本画創造に挑戦し続けた画家である。
 現在では高い評価を得ている大観も、その長い画歴は常に順風満帆であったわけではない。新日本画を創り出すためにさまざまな模索をしており、描線を用いずに空気や光線を表す革新的な技法は「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれ嘲罵(ちょうば)の対象となったこともあった。
 多様な技法をこなし、幅広い画題に取り組んだ大観は、晩年には多くの風景画を手掛けている。精神的なものを表現しようとした大観の風景画は、そのときどきの大観の心情を反映しているものが多い。
 本作品は、二曲一双屏風(びょうぶ)の右隻。左方向には寄せくる波が続く。大観が八十四歳で手掛けたこの作品は晩年の作にふさわしく、静かで澄み切った画面に仕上げられている。 (佐藤美貴 中日新聞 1999年1月28日掲載)

展覧会歴

横山大観の芸術展(奈良県立美術館 1984)
横山大観屏風絵展(銀座松屋 1987)
横山大観ー海・山・空の世界(北海道立近代美術館、北海道立函館美術館 1995)
和紙と日本画展-岩野平三郎と近代日本画の巨匠たち(福井県立美術館 1997)
横山大観-海・山を描く-展(茨城県天心記念五浦美術館 1999)
横山大観展(水野美術館、京都国立近代美術館 2004)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)

文献

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