平成25年度 第3回三重県総合博物館経営向上懇話会の結果概要
1.日時:平成25年11月25日(月)17:00~19:00
2.場所:三重県総合博物館 3階 レクチャールーム
3.議 題:
(1) 報告事項
1 三重県総合博物館に対する企業等からの金銭的支援に係る取組状況について
(2) 意見交換
1 開館に向けた広報展開について
2 活動と運営に係る評価のしくみについて
3 開館後における事業について
① 平成26年度の企画展示について
② 開館後における諸事業について
(3) その他
4.出席委員:
齋藤 彰一氏 株式会社三重銀行 特別顧問
田部 眞樹子氏 三重県子どもNPOサポートセンター 理事長
中村 忠明氏 公益財団法人三重県文化振興事業団 文化交流ディレクター
西岡 慶子氏 株式会社光機械製作所 代表取締役社長
山下 治子氏 株式会社アム・プロモーション ミュゼ 編集長
山田 康彦氏 三重大学教育学部 教授
5.配布資料:
資料1 三重県総合博物館に対する企業等からの金銭的支援に係る取組状況
資料2-1 開館に向けた広報の実施内容(案)
資料2-2 開館に向けた広報の実施スケジュール(案)
資料3-1 三重県総合博物館(MieMu)の活動と経営に係る戦略計画(評価表)(案)
資料3-2 三重県総合博物館(MieMu)の活動と経営に係る評価の実施スケジュール(案)
資料4-1 平成26年度の企画展示実施計画(案)
資料4-2 開館後における事業について
資料5 次回の経営向上懇話会における議題(案)について
参考資料 三重県総合博物館経営向上懇話会 設置要綱
6. 委員からの主なご意見(要約) :
(1)報告事項
(三重県総合博物館に対する企業等からの金銭的支援に係る取組状況について)
・ これまでの寄附の実績では、まだまだ十分とは言い難い。
・ 寄附については下からの積み上げだけでは難しい。上からトップダウンでやらないと、高い目標に到達しない。
(2)意見交換
① 開館に向けた広報展開について
・ 各手法のスケジュールは分かるが、専門家がトータルで見ないといけない。
・ 経費のかかる媒体だけでなく、お金のかからない宣伝(パブリシティ)も考えるべき。いかにして記事に取り上げてもらうかを考えるべき。
・ 文化交流ゾーン内の連携として、各館共同の宣伝をしてはどうか。また、市町との連携による広報もメニューに入れて欲しい。
・ 「何をやっていくか」は分かったが、「どのようにやっていくか」が重要である。
・ マスコミは「節目」に弱い。「100日前」「1ヶ月前」にどういうネタを提供できるかよく考える必要がある。
・ ニュース性のあるネタを精査する必要がある。「…ができました」「…をはじめました」という事実だけでは記者は来ないので、魅力を伝える工夫が必要。
・ 普段付き合いのある窓口だけでなく、例えば名古屋本社の文化部への情報提供も必要。
・ 新聞のテレビ面への広告は効果があるか疑問。むしろ文化面の方が良いのではないか。
・ 項目はたくさんあるが、誰に訴求するかのターゲットをどう考えるか。また目標をどうするか。これらが明確になれば、この内容でいいのかも検討できるし、リリースするコンテンツも変わってくる。
・ 例えば、(企業パートナーシップのような)年3万円ではなく、5千円程度で個人がお金を払って、博物館を育てていく意識を持てるようにしてはどうか。受け手(頼まれる側)の印象が違う。支援する人が主体的になる工夫を。
・ 企業連携について専門職員を採用して取り組んでいるが、広報については、プランはできているものの館として束ねる体制ができているか、開館に向けて準備がより大変になる中で不安である。
・ 教育関係について、教育現場での博物館利用が項目としては挙がっているが、多くの学校に実際に使ってもらえなくては意味がない。より具体的なプログラムを入れる必要がある。例えば、教育委員会の研修プログラムに位置づけられるようにしていくことが必要。
・ いかに子どもたちに来てもらえるかと考えた方が良い。
・ なぜ子どもが大事なのかというと、彼らにとって原風景になるからである。何度も博物館に来ることで、「三重県」というものが彼らの中に育っていく。心の原風景になるような博物館になってほしい。
・ スポットCMは、一瞬で魅力や内容を伝える必要がある。ポスターのセンスはいいので、そことズレがないようにつなげて欲しい。
・ 他の博物館がオープンした時と何が違うのかの差別化が必要。例えば、MieMu一色のイベントを行うなど。
・ 記者向けの内覧会をしてもなかなか集まらないので、県民向けの内覧会を取材させた方が良い。特に、三重テラスでの首都圏プレス向けイベントも、「何を伝えるか」をよく考えないと書いてもらえない。難しい場合は都民向けのイベントとして考えていく必要もある。
② 活動と運営に係る評価のしくみについて
・ タイトルが「マネジメントのしくみ」となっているが、「評価」だけでマネジメントと言ってしまってよいか。
・ 評価の制度としてはよく考えられているが、具体の指標はまだ検討が必要と思われる。特に定性評価の部分は、どこまで具体的に考えられているか。参加者の行動変化など、どのように把握するか。
・ 「企画展の開催数」や「企画展の満足度」が評価指標に挙がっているが、数が多ければよいわけでもないし(いい企画展なら回数は少なくてもいいという考え方もある)、企画展に来なかった人の満足度(なぜ行かなかったのか)も聞く必要はないか。
・ 「来館者が博物館で何かを感じたことをどう表すか」について検討していること自体、評価できる。
・ 企業の目線から見ると、事業の継続性を確保していくための資金確保という視点も中心にして欲しい。
・ 戦術や成果指標はできるだけシンプルな方が良い。
・ 利用者の立場からすれば、館内のホスピタリティ、雰囲気も重要な要素であり、これらを評価項目に入れてはどうか。
・ 紙媒体での掲載面積が成果指標に挙がっているが、同時期に大きな事件があれば扱いが小さくなってしまうものなので、掲載面積が絶対的な評価にならないことは理解しておいた方が良い。
・ 評価疲れにならないようにしてほしい。
③ 開館後における事業について
・ 1年目の企画展は目白押しなので、これらの企画展を数年先の事業へとつなげるような、発展の契機として欲しい。例えば、地域とつながった活動として、地域の博物館で展示したり蓄積した資料などを集めて新博物館で展示するなど、県内博物館のまとめ役として、地域とのつながりという視点を大事にして欲しい。
・ 担当学芸員の研究実績につながるようにしてほしい。
・ 展示のタイトルは、子どもでも分かるものにしてほしい。
・ オープニングにふさわしいタイトルと中身であってほしい。今のタイトルでは中身が分かりにくい。タイトルは大変重要。
・ 市民研究員制度については基準や規約をしっかりつくって多くの方に利用いただけるようにして欲しい。
・ 例えば、博物館を活用した夏休みの自由研究の表彰制度をつくってはどうか。
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