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三重県総合博物館 > 新種のイルカ化石の学術論文出版について

令和06年08月20日

新種のイルカ化石の学術論文出版について

 三重県総合博物館は「三重の自然と歴史・文化に関する資産を保全・継承し、次代へ活かす」という使命のもと、資料の調査・研究、収集保存などの博物館活動を行っています。
 このたび、ロンドンの大英自然史博物館が発行する英文学術誌に、当館学芸員が取り組んだ新種のイルカ化石の研究成果が論文として掲載されました。

1 出版日(オンライン)
 令和6年8月19日(月)

2 掲載誌、タイトルおよび著者
・掲載誌:Journal of Systematic Palaeontology
(ジャーナルオブシステマティックパレオントロジー:古生物分類学誌の意)
・タイトル:「A new platanistoid (Odontoceti: Squalodelphinidae) from the Early Miocene of Japan」
日本語タイトル「日本の前期中新世から新たなガンジスカワイルカ上科の化石(スクアロデルフィス科)について」
・著者:田中 嘉寛(たなか よしひろ 札幌市博物館活動センター)
    中川 良平(なかがわ りょうへい 三重県総合博物館)

3 研究内容
・三重県津市一志町の前期中新世の地層(およそ1800万年前)から見つかったイルカ化石を、新属新種としてMiodelphinus miensis(ミオデルファイヌス・ミエンシス 三重の中新世のイルカの意)と命名しました。
・ミオデルファイヌス・ミエンシスはガンジスカワイルカ上科のスクアロデルフィス科というグループに含まれ、現代のガンジスカワイルカの親戚にあたります。
・スクアロデルフィス科の化石は、日本では耳の骨が岐阜県から1標本、北太平洋ではアメリカのワシントン州から1標本見つかった限りで、国内だけでなく、北太平洋ではとても少ない貴重な標本といえます。
・今回報告した新種によって、スクアロデルフィス科は前期中新世には大西洋や南太平洋だけでなく、北西太平洋にも広がっていたことが明らかになり、その起源はもっと古い時代であることが推測できます。

4 展示について
 新種のイルカ化石は、9月16日まで、三重県総合博物館の開館10周年記念・第37回企画展「標本 あつめる・のこす・しらべる・つたえる」で展示しています。


図1.新属新種となった三重県総合博物館所蔵のミオデルファイヌス・ミエンシス。(頭を上から見た)(本研究で発表した論文Tanaka and Nakagawa, 2024より改変)。

図1.新属新種となった三重県総合博物館所蔵のミオデルファイヌス・ミエンシス。(頭を上から見た)(本研究で発表した論文Tanaka and Nakagawa, 2024より改変)。

図2.企画展「標本 あつめる・のこす・しらべる・つたえる」の展示状況

図2.企画展「標本 あつめる・のこす・しらべる・つたえる」の展示状況

図3.企画展「標本 あつめる・のこす・しらべる・つたえる」の展示状況

図3.企画展「標本 あつめる・のこす・しらべる・つたえる」の展示状況

関連資料

  • 論文の詳細解説版(PDF(797KB))

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