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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 伊勢の獅子頭

伊勢の獅子頭

資料名 伊勢の獅子頭 資料番号 38
時代 昭和時代 寸法 12.5cm×27.0cm×13.0cm
解説

獅子頭(ししがしら)は、伊勢を代表する郷土玩具の一つで、練り物玩具で同類のものにカメやタコ、弓獅子(ゆみじし)が見られます。今でもすべて伝統的な手作りを伝えていますが、業者は数軒となっています。
獅子頭の製作は、3つの工程に分かれています。
第1工程は、ノコギリで木を挽いたときに出る木くず(おがくず)を集めて、これを大きさをそろえるためにふるいにかけます。そして、接着剤(ニカワなど)と混ぜて、木型や石膏型に押し込むように入れ、1週間ほど乾燥させます。こうして「地(じ)」ができます。
第2工程は、彩色です。最初に白絵の具や胡粉(ごふん)などで全体を塗ります。2,3日乾燥させたあと、まゆ毛や毛を墨で描いて、頭や顔の部分に朱や赤を筆で塗るように描いていきます。
第3工程は、飾りつけです。あごを上下に動くように金具で留めます。そして、左右の耳をつけます。頭の毛には、綿や鳥の毛をつけます。最後に、唐草模様の布を頭にかぶるように金具で留めれば完成です。
獅子頭の玩具の歴史は、江戸時代末期から明治の初めごろに始まった、江戸時代中期ごろから参宮土産に関係して生産されてきたなどの説があって、はっきりはしません。江戸時代末期以降に生産が始まって、明治時代になってから広く知られるようになり、本格的な生産が始まったと考えられています。
地元では、神棚や床の飾り、土産として、関東へは正月飾りとして生産されていますが、最近では安価な岐阜や関東の白い獅子が県内でも多く見られるようになっています。
(FW)

獅子頭(完成品)
獅子頭(第1工程)   獅子頭(第2工程)

第1工程                             第2工程
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