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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 伊勢地域の「しめ縄」

伊勢地域の「しめ縄」

  資料名

しめ縄

しめ縄(伊勢市内)
伊勢市内
解説

しめ縄は伊勢地域で一年中民家の玄関に掛けられていたもので、通称伊勢型と呼ばれる物です。
その材料は藁、植物、板等で地元に見られる物です。藁はその年の稲穂が出る前の青い時期に刈り取ったものを乾燥させ、大根のように太く三つ編みで左縄にし、前垂を付けて中心部を作るのが特徴。
植物や木札、和紙等は飾りとして呼ばれます。植物はウラジロ、ユズリハ、エセビ、ダイダイ、また和紙を長方形に切りシデとして下げました。こうした飾りには色々な意味が込められ伝えられてきました。
正面には伊勢地方の特徴となる木札があります。材は檜、文字は中央に「蘇民将来子孫之門」とありますが、伊勢地域の一般的な玄関用しめ縄の形態です。
なお、木札の文字も最近では多様な言葉が書かれるようになっています。
こうした「しめ縄」は、伊勢地域では度会郡玉城町中角を中心に、農家の副業として伊勢志摩や松阪、時には大阪等の需要に応じて生産しています。スーパーや鮮魚雑貨店などを通して市販されています。


<三重県下の「しめ縄」事情>
松阪市嬉野地域から県下以南では、民間信仰との関係で約8割以上の家庭で、一年中玄関前に掛けているのが大きな特徴とであるのに対し、これより北の地域では殆どが15日までにおろす習慣となり、県下の東西文化の違いをよく示しています。
北の地域では中心部の藁の太さや垂れが偶数、飾りの赤や金等の色物が入った華やかな都会的な雰囲気を持つ物が特徴であり、人々はこうした物を買い求めます。
ところが、南の地域では中心部の藁にしても充分にその形を表すために使い、植物などの大きい物や数が多く、地方的雰囲気が充分に感じられ、神のよりしろとしての形態を残しています。
ここに挙げた鳥羽市答志内や伊勢市内のしめ縄は、一年近く掛けていた物でふるが、木札やダイダイ、ウラシロなど地域の特徴をよく残した物です。 (FW)
 

 

 

しめ縄(桑名市内)
桑名市内
しめ縄(鳥羽市答志島)
鳥羽市答志島
しめ縄(伊勢市内)
伊勢市内
しめ縄(伊勢市内)
伊勢市内
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