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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 石炭

石炭

解説 石炭を見たことがありますか?今では見たことがあるという人は、少ないのではないでしょうか。最盛期には、日本全国に800以上もの炭鉱がありましたが、平成14(2002)年までに商業利用の炭鉱はすべて閉山しました。しかし、今でも日本では大量の石炭が使用されていて、世界一の石炭輸入国なのです。輸入された石炭は、製鉄や発電、コールタールや化学薬品の原料として使われています。
石炭は、大昔の植物が地中に埋もれて変化してできたものですが、その元となった植物は、外国炭の場合、今から3億6000万年から3億年前ごろに繁茂していたロボク、リンボク、シダ植物などです。当時は、今よりも気候が温暖で、光合成に必要な二酸化炭素の量も多かったために、高さが数十mにも達する巨木に成長していました。これらの植物が石炭になったので、この時代を「石炭紀(せきたんき)」といいます。日本炭の場合はもっと新しくて、新生代(しんせいだい)第三紀(だいさんき)(約3000万年前)の植物が元になっています。
石炭は、その石炭化度によって下の表のように分類されます。
当館には、今回紹介した4点以外にも北海道から九州までの国内炭、県内炭、外国炭をあわせて56種類の石炭標本が収蔵されています。(H)
資料名 亜瀝青炭 亜瀝青炭(あれきせいたん)
資料番号 Co007
産地 北海道 夕張炭鉱
   
資料名 無煙炭 無煙炭(むえんたん)
資料番号 Co043
産地 熊野市紀和町
   
資料名 褐炭 褐炭(かったん)
資料番号 Co040
産地 津市芸濃町椋本
   
資料名 亜炭 亜炭(あたん)
資料番号 Co050
産地 津市片田志袋町
名称 特徴
無煙炭(むえんたん) 石炭化度が高く、燃やしても煙の少ない良質の石炭。炭素量は、約95%。
瀝青炭(れきせいたん) コークス、製鉄用に使われる。炭素量は、約80%。
亜瀝青炭(あれきせいたん) 水分を含むため扱いにくい。埋蔵量は豊富。日本で生産されていた石炭の多くが亜瀝青炭。
褐炭(かったん) 低品位の石炭。練炭(れんたん)・豆炭(まめたん)に使用される。その名のとおり褐色。
亜炭(あたん) 褐炭の質の悪いもの。太平洋戦争中の燃料不足の時に多く使用された。植物の痕跡が含まれる。
泥炭(でいたん ぴーと) 植物の堆積物が圧縮したもので、石炭の生成過程にある物。ウイスキーに使用する麦芽を乾燥する際に香りづけをかねて燃料として使用される。
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