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レア・アース鉱物

モズナ石

1 モナズ石(右上は、拡大)




ゼノタイム

2 ゼノタイム




フェルグソン石

3 フェルグソン石(右上は、拡大)
資料名

 1 モナズ石
 2 ゼノタイム
 3 フェルグソン石

学名  1 Monazite
 2 Xenotime
 3 Fergusonite
資料番号  1 RM0053
 2 RM0049
 3 RM0750
分類化学式  1 リン酸塩鉱物 CePO
 2 リン酸塩鉱物 YPO
 3 酸化鉱物 YNbO
結晶系  1 単斜晶系
 2 正方晶系
 3 正方晶系
色・硬度  1 褐色 5から5.5
 2 灰緑色・黄褐色 4から5
 3 黒褐色 5.5から6.5
採集地  1 津市美杉町竹原(旧一志郡美杉村竹原)
 2 津市美杉町竹原(旧一志郡美杉村竹原)
 3 津市美杉町(旧一志郡美杉村)
解説 津市美杉町(旧一志郡美杉村)には、美杉鉱山や竹原鉱山がありました。この2つの鉱山は、領家帯の花崗岩質岩帯中のペグマタイト鉱床(マグマの固結末期にマグマの残液から石英や長石などが大きな結晶の集合体をつくった鉱床)で、陶磁器の原料となる珪長石を採掘して、広く県の内外へ出荷していましたが、現在は採掘されていません。
近年、この2つの鉱山は、レア・アース鉱物の産出地としてのほうが有名になっています。レア・アース元素は、効率の高い燃料電池の開発に必要な水素吸蔵合金、形状記憶合金、半導体、光学ガラス、強力な永久磁石、蛍光体、研磨材など機能性素材の原料として先端技術産業の発展に欠くことのできないものです。
レア・アース(希土類)は、スカンジウム(Sr)とイットリウム(Y)、原子番号57番から71番までの15元素(ランタノイド)の計17元素の総称で、いずれも周期表の3族に属しています。これらの元素を含む鉱物をレア・アース鉱物といいます。レア・アースの化合物が最初に発見されたとき、希少鉱物から見つかったため「レア(希=稀(まれ))な「アース(土)」と命名されました。
美杉鉱山や竹原鉱山の主な産出レア・アース鉱物は、モナズ石・ゼノタイム・フェルグソン石です。マグマ中に微量元素として含まれていたレア・アースが花崗岩の固結末期にペグマタイト中に濃集したものです。

モナズ石
赤みを帯びた長石の中に黒っぽく見えているものがモナズ石です。CePOを主成分とし、レア・アースのセリウム(Ce)を含みます。

ゼノタイム
赤い印をつけた黒っぽく見えているのがゼノタイムです。隣にある石英が黒みを帯びているのは、放射能の影響です。YPOを主成分とし、レア・アースのイットリウム(Y)を含みます。

フェルグソン石
下部の黒雲母から赤みを帯びた長石に向かってのびている黒いもの(緑色の矢印の先)がフェルグソン石です。YNbOを主成分とし、イットリウム(Y)とニオブ(Nb)を含みます。

いずれの鉱物も放射性元素であるウランやトリウムを少量含んでいるので、放射能をもちます。(放射能は、微量で人体に影響のあるものではありません)そのため、ペグマタイト中の長石を赤く変色させていて、これが発見するときの目印になります。(H)
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