気仙隕石(Kesen meteorite)
資料名 | 気仙隕石 (Kesen meteorite) |
産地 | 岩手県陸前高田市気仙町 |
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資料番号 | Me002 | 寸法・重量 | 13cm×10cm 厚さ 5mm 重量 188g |
分類 | 石質隕石 普通コンドライト タイプ H4 | ||
解説 | 気仙(けせん)隕石(いんせき)は、日本最大の石質隕石としてたいへん有名で、天文書や教科書などにもしばしば写真が載せられています。この隕石は、今から約150年前、嘉永(かえい)3(1850)年に、現在の岩手県陸前高田市気仙町(りくぜんたかたしけせんちょう)にある長円寺(ちょうえんじ)の境内に落下したものです。当時の代官や郡奉行への報告書に落下日時や飛来方向、落下時の様子などが記載されており、資料価値の高いものです。現在は、独立行政法人国立科学博物館に収蔵・展示されていて、三重県立博物館で所蔵しているものは、その破片の一部です。落下当時、この隕石の重量は、36貫(かん・135kg)であったと記録されていますが、養蚕(ようさん)や疾病(しっぺい)、漁業に霊験(れいげん)あらたかであるとして村民によって削り取られ、また、明治のころからは、諸外国の研究家やコレクターに数多く送られ現在では106kgになっています。 隕石とは、宇宙から飛来し、燃え尽きずに地表に落下した岩石で、大きさ1mm以上のものをいいます。1mmより小さいものは「宇宙塵(うちゅうじん)」といいます。世界中で約2,500個、日本では47個の隕石が確認されています。(その他に南極で約2万個が発見されています。)その大きさは、数gのものから数十tの巨大なものまであります。 隕石は、その成分から「石質隕石」「鉄隕石」「石鉄隕石」の3つのグループに分類されます。石質隕石は、岩石(ケイ酸塩鉱物)を主な成分としていて、これまでに発見されている隕石の90%以上がこれにあたります。気仙隕石もこの種類です。鉄隕石は、鉄やニッケルといった金属の合金でできていて、石鉄隕石は鉄やニッケルの合金と岩石をほぼ等量に含む隕石です。 隕石ができた年代は、太陽系ができた約46億年前で、それからずっと宇宙空間を漂っていました。ですから、隕石は地球を含む太陽系の生い立ちを探る上で、貴重な物的証拠といえます。いわば、46億年前の情報を閉じ込めたタイムカプセルといってもいいでしょう。(H) |
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![]() 二面が切断され、厚さが5mmの板状になっている。 |