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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > ギフチョウ(Luehdorfia japonica)

ギフチョウ(Luehdorfia japonica

資料名 学名
Luehdorfia japonica
和名
ギフチョウ
資料番号 チョウ-67(箱番号)
分類 節足動物門
昆虫網
チョウ目
アゲハチョウ科
ウスバアゲハ亜科
寸法
(開長)
オス:44mm

メス:46mm
採集日 オス
昭和40(1965)年4月22日

メス
昭和28(1953)年4月10日
採集地 藤原岳(いなべ市)
解説 ギフチョウは、アゲハチョウの仲間としてはやや小型の種です。黒色と黄色のしま模様をしていることから「ダンダラチョウ」とも、4月のサクラの咲くころに姿を見せて、スミレ類やショウジョウバカマ、カタクリなどの花に求蜜しながらかれんに飛ぶ姿から「春の女神」とも呼ばれています。
幼虫の時期の食草(しょくそう)であるウマノスズクサ科のカンアオイ類(スズカカンアオイ・ミヤコカンアオイ)の植物が生えている丘陵地から低地の雑木林(クヌギやコナラ)やその周辺に生息しています。オスとメスの違いは、オスの躰背面には長毛が密生していますが、メスは毛が少なく前胸背に赤褐毛が生えていることで見分けることができます。また、メスは交尾をすると尾端に、オスから出された分泌物により受胎嚢(じゅたいのう・板状の付属物)が形成されて、交尾ができないようになります。受胎嚢の有無で見分けることもできます。
この種は、日本特産種で秋田県を北限、東京都を東限とする本州の西半分に分布しています。三重県では、北勢地方や津市西部の低地、伊賀地方や松阪市飯南地方での生息記録があります。しかし、現在では伊賀地方の一部の地域でしか見られなくなっています。 
ギフチョウは、人間の生活様式が変化したことで、雑木林の手入れなどがされなくなって、生息に適した環境が減少したことや一部地域での採集者の集中による乱採集が原因で生息数が減少しているようです。そのため、国のレッドデータブックや『三重県レッドデータブック2005』で「絶滅危惧種Ⅱ類」に位置づけられています。
ギフチョウは、生息数をこれ以上減少させないように大切にしていきたい昆虫のひとつです。(I)
ギフチョウ(オス)
オス
ギフチョウ(メス)
メス
受胎嚢

受胎嚢(じゅたいのう)
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