このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

サイト内検索

美術館 > 刊行物 > 年報 > 1988年度版 > 年報1988 教育普及

教育普及

A.公開講座

鑑賞をより一層深めるための機会として、1986年度から、美術に関わる諸問題をより組織的なかたちでとりあげる公開美術講座を開催している。第3回の1988年度は次の2講座を設けた。

前期:絵を読むⅡ・名作の秘密

美術作品に接する際には、形や色彩といった視覚的な面に注目するだけでなく、その作品が制作された状況や、文化的背景、作者が狙った奥深い意図などを読み明かすことによって、作品の理解は一層深くなる。そこで、「絵を読むⅡ・名作の秘密」では、室町時代から江戸時代後期にかけて制作された日本絵画の名作の中から、造形面でも主題面でも豊かな内容を持った作品4点を選び、その魅力の秘密を明らかにすることを試みた。

開催月日  講師  テーマ

9月24日 山口泰弘(当館学芸員) 不忍池図(小田野直武)
10月8日 高見澤明雄(東京国立博物館資料部情報管理研究室長) 天橋立図(雪舟)
10月15日 奥平俊六(大阪府立大学専任講師) 彦根屏風
10月22日 小林忠(学習院大学教授) 動植綵絵(伊藤若沖)

後期:西洋美術と主題

私たちの暮らす世界とはまったく異なる歴史的文化的環境の中で生まれたキリスト教やギリシア・ローマ神話など、西欧の伝統的な宗教や文化、作者固有の思想、自然観などがある。そうした背景を持った西洋美術に見られる代表的な宗教的主題や、画家によって独自の意味が与えられた主題について知ることは、より深い美術鑑賞へとつながる。「西洋美術と主題」は、西洋美術にみられる四つの興味深い主題に焦点を当てて、その意味と造形に迫った。

開催月日 講師 テーマ

10月29日 若桑みどり(千葉大学教授) ヴィーナスの図像
11月12日 石崎勝基(当館学芸員) 鏡の主題-マネの「フォリー・ベルジェールのバー」を軸に
11月19日 二見史郎(愛知県立芸術大学教授) ゴッホの風景
11月26日 中江彬(大阪府立大学助教授) 聖母マリアと信仰
受講者数……前期…約180名、後期…約180名

B.講演会

展覧会の内容に即した講演会を実施する(詳細は展覧会ごとに記載)とともに、それ以外に、下記のような講演会を開催した。

9月10日……「現代美術とポスト・モダン」 講師=伊藤豊雄(建築家)
9月11日……「天使のアブラハム訪問」 講師=ジャン・リシェ(ニース大学名誉教授)

C.移動美術館

一人でも多くの県民に、美術鑑賞と学習の機会を提供するために、開催地市町村及び三重県立美術館友の会の協力を得て、名張市、尾鷲市、関市の3カ所において開催した。(詳細は、P.63の展覧会について-C.移動美術館の項を参照)。

D.団体解説会

1988年度も多くの団体入場者をみた。そのなかで、希望する団体に対しては、団体解説を実施するとともに、映画「丘の上の美術館」の上映を行った。

E.日曜映画会

開催月日 映画名 入場者数

4/10,17,23,5/1,8 近代日本の洋画(15分) 平均40名
5/15,22,29,6/5,12 ルーブル美術館(30分) 45名
6/19,26,7/3,10,17,24 法隆寺(30分) 20名
7/31,8/7,14,21,28,9/4 富獄三十六景(30分) 20名
9/18,25,10/2,9,16,23 アントニー・ガウディー(72分) 60名
10/30,11/6,13,20,27 彫る-棟方志功の世界(38分) 30名
12/4,11,18,25 ルービル美術館(30分) 100名
1/8,15,22,29,2/5 アントニー・ガウディー(72分) 30名
2/12,26 のどか森の大作戦(71分) 150名
2/19 アンデルセンの世界(28分) 150名
ムツゴロウとこどもたち(31分)
3/5 二十四の瞳(160分) 50名
3/19,26 現代の版画(15分) 20名
近代日本の洋画(15分)

F.ミュージアム・コンサート

下記の通りミュージアム・コンサートを開催した。

「東敦子 日本の現代歌曲とオペラ・アリアの夕べ」
ア.日時………1988年10月15日(土) 17:30~18:40
イ.出演………ソプラノ独唱=東敦子 ピアノ伴奏=原桂子
ウ.会場………美術館エントランスホール
エ.入場料……1,500円「(湯原和夫展)観覧料を含む」
オ.高田三郎「ひとりの対話」、團伊玖磨「しぐれに寄せる抒情」、マスネ「泣け泣けわが目よ」(オペラ「ル・シッド」より)

G.創作広場

第7回三重の子どもたち展の開催期間中、希望する子どもたちが自由に絵を描いたり、粘土による立体造形を行い、専門家が助言、指導する「創作広場」をエントランスホール内に設けた。

ページID:000055085