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美術館 > 刊行物 > 年報 > 2016年度版 > 年報2016 企画展 招き猫亭コレクション 猫まみれ展

 

年報2016年度版 【招き猫亭コレクション 猫まみれ展】

2016年4月23日(土)-6月26日(日) [全56日]

【会場】…三重県立美術館 企画展示室
【主催】…三重県立美術館、朝日新聞社
【協力】…招き猫亭
【助成】…公益財団法人岡田文化財団、公益財団法人三重県立美術館協力会
【企画協力】…アートシード
【広報印刷物、作品リストデザイン】…井上淳子(FROG SPLASH)
【担当】…吉田映子
 
【入館者数】19388人(有料:13535人 無料:5813人)

 

展覧会の概要

 猫にまつわる様々な美術品を収集する「招き猫亭コレクション」による展覧会。本展は、巡回展でありながら、展示の構成は各館の学芸員に任されていたため、次項「開催要項」に記したように、猫と美術の双方の魅力を伝えられるようカテゴリー分けをした。同コレクションの約350点に、当館所蔵の猫にまつわる作品を加えた総計約370点の作品を紹介し、巡回先のなかでも最大規模の展示となった。
 会場では、展示壁面に足跡のシールを貼りつけ、出口に記念撮影用のパネルを用意するなど、随所に楽しめる工夫を施しワクワク感を創出する環境つくりを行った。なかでもボランティアと手作りして各所に設置した猫のクッションは、SNSなどの投稿を促し、効果を実感することができた。
 会期中のイベントでは、美術以外の分野に目を配るよう意識した。猫好きで知られる二枚目の立川志の春氏による落語会、映画化もしたエッセイ「私は猫ストーカー」の筆者で、地元出身の人気イラストレーターの浅生ハルミン氏によるトーク、猫好きのなかでも評価の高いロシア映画「こねこ」の上映など、いずれも多くの参加者に恵まれた。
 会期中、随時参加できるネコ耳作りのコーナーや、飼い猫の写真を展示するコーナー、猫グッズによる割引なども、常時、参加者を得て好評であり、展覧会自体に参加できる仕掛けが、美術館体験における「楽しさ」の感覚につながるということが分かった。
 伊勢志摩サミットの交通規制等の影響もあり、二万人には届かなかったが、世の猫ブームが最も盛り上がりを見せた時期と、同展の会期が重なり、多くの方にご来場いただいた。猫という親しみやすいモチーフを介して、普段は美術館になじみのない方にも、展覧会に足を運び、美術にふれてもらうという展覧会の目的は達成されたと言えるだろう。これもひとえに、招き猫亭氏が収集してきた作品の多様性と質に負うところが大きい。
 

開催要項

 ネコと美術を愛する謎のコレクター・招き猫亭は、19世紀末パリに活躍したスタンランから、江戸時代の浮世絵師 歌川国芳、そして現代の作家まで、幅広い分野のネコにまつわるアート作品を収集しています。本展は、そのなかから、350点以上の絵画や彫刻、版画作品をご紹介します。ネコ好きなら思わず納得のしぐさから、人間との多様な関係や神秘的な一面まで、大人から子どもまで全てのネコ好き、アート好きにお届けしたい、この動物の魅力がたっぷりつまった展覧会です。
 ネコという一つのモチーフを通して、絵画や彫刻の様々な表現に触れることで、美術の新たな魅力を発見することにもつながると期待しています。
 
本展覧会では、招き猫亭コレクションの350点を超える作品に、三重県立美術館自慢のネコ作品を加えた約370点をご紹介。各作品の魅力をより分かりやすくお伝えするため15のセクションに分けて展示いたします。
             
①最初の1点
招き猫亭によってアート作品のコレクションが始まるきっかけとなった作品とともに、ネコを描いた作家の代表とも言えるテオフィル・アレクサンドル・スタンランの作品をご紹介します。
 
②最高の猫絵画家
招き猫亭がネコにまつわる作品に注目してコレクションを本格化させることになったレオナール・フジタの作品を、三重県立美術館所蔵の《自画像》とともに展示します。
 
③日本の猫 江戸の猫④江戸の猫-擬人化・役者絵-⑤江戸の猫-新田猫-⑥江戸の猫-美人画-
ネコは、江戸時代に入る頃には、鼠を退治し穀物を守る「益獣」として重宝される存在となり、浮世絵にも描かれている通り、身近なペットとして生活のなかに融け込んでいました。さらには、歌舞伎や版本の流行とも相まって、多種多様な趣向によって表現される唯一無二のモチーフとなっていきます。この4つのセクションでは、擬人化されたり、役者絵のパロディになったり、美人画に興趣や意味を付け加えたり、あるいは護符としての役割を果たすといった、江戸・明治の多様なネコ作品をご紹介します。
 
⑦画家たちの猫 ⑧猫のすがた ⑨猫のかたち
近代、そして現代の芸術家にとってもネコは魅力的なモチーフであり続けます。リラックスした筆勢に、かえって卓越した技量が見え隠れするような素朴な姿から、対象の特徴にあくまで写実的に迫るデッサンまで、ネコは様々な素材、技法によって表現されています。加えて、跳躍したり、丸くなったり、その変幻自在な身体は、芸術家が色と形の模索をするための格好の実験台でもあったようです。これらのセクションでは、ネコの愛らしい姿そのものや、表現された形、色に着目して作品をご覧いただきます。
 
⑩猫とわたしたち ⑪猫の気持ち
ネコは、自立心が旺盛で御し難い一方で、ときに心のうちを察するかのように音も立てず側に寄り添ってくれます。ネコの言葉や気持ちを理解するための本が数多く出版されるのも、そうした一筋縄では行かないネコと人間の複雑な関係が背景にあるでしょう。ここでは、人間とネコの触れ合いやつかず離れずの心の交流を描いた作品に加えて、人間のように感情を持った猫の表現を集めてご紹介します。
 
⑬神秘の猫:⑭闇に浮かび上がる猫 ⑮猫の迷路で 
古来、魔術や異教、夜の闇と結びつけられてきたネコには、現代にいたるまで神秘的なイメージがつきまといます。展覧会の最後には、そんな孤高かつミステリアスな存在の魅力が存分に詰まった作品たちが、ネコの迷路に来場者を誘い込みます。

【巡回館情報】
2014年9月21日(日)~11月24日(月) 秋田県立近代美術館
2015年5月20日(水)~7月6日(月)島根県立美術館
2015年7月15日(水)~9月6日(日)北海道立釧路芸術館
2015年9月13日(日)~11月23日(月・祝)北海道立帯広美術館
2016年1月22日(金)~3月27日(日)神戸ゆかりの美術館
2016年7月1日(金)~8月28日(日)周南市美術博物館
 

会場風景

 

会期中のイベント

1)立川志の春 招福!猫の落語会

日時:4月29日[金・祝] 午後3時~
会場:三重県立美術館講堂
入場無料
参加人数:150名
浅生ハルミンさんと楽しむ「猫まみれ展」
日時:5月7日[土]午後2時~
会場:美術館講堂
入場無料
参加人数:125名
 

2)三重県立美術館友の会主催 招き猫茶会

日時:5月14日[土]~22日[日]
午前10時~午後4時
会場:美術館エントランスホール
抹茶一服(茶菓子付)400円 ※立礼式
参加人数:793名
 

3)美術セミナー「ネコの美術に、いざ、まみれにゃん!」

5月21日[土] 午後1時半~
講師:吉田映子
会場:ハイトピア伊賀 5階学習室2
参加人数:30人
 

4)ギャラリートーク番外編「猫好きのためのアート&ブックガイド」

日時:5月31日[火] 午後6時30分~午後8時
会場:三重県立図書館 1階閲覧室(津市一身田上津部田1234)
スピーカー:吉田映子(三重県立美術館学芸員)
参加無料
参加人数:34人
 

5)三重県立美術館友の会主催 ロシア映画 「こねこ~旅するチグラーシャ~」上映会

日時:6月12日[日] 午後2時~
会場:美術館講堂
入場無料
参加人数:136名
 

6)講座「猫による西洋美術史案内」

講師:吉田映子(三重県立美術館 学芸員)
日時:6月18日[土]午後2時~
会場:美術館講堂 /定員:150名
入場無料
53名
 

7)担当学芸員によるギャラリートーク

いずれも午後2時~
会場:企画展示室
5月28日[土] 参加人数:34名
6月26日[日] 参加人数:58名
 

8)オリジナルのネコ耳をつくって写真をSNSに投稿しよう!

会場:美術館エントランスホール
※会期中随時開催/参加無料
 

9)ねこ割

ねこグッズを身に付けてご来場いただいた方に観覧料100円割引を実施。
 

10)あなたのにゃんこ、展示しませんか。

プリントアウトして持参していただいたネコ写真[10cm×15cm以内]を掲示。
 

11)スペシャル・ランチの提供

レストラン「ミュゼ・ボンヴィヴァン」にて「猫まみれ展」開催期間中限定で提供。
2500円(税込)/一日限定30食
 
~Yakizakana~
津の前浜より 白身魚のポワレ 野の草と野菜のマリネソース
~Manma~
魚介のリゾット ベーコンのカプチーノと塩味のラングドシャ
~Karikari~
お麩のラスク 豆腐のフォンダンと蜂蜜しょうゆのグラスを添えて
 
珈琲または紅茶

 

主な記事

掲載記事等一覧
朝日新聞
2016.04.24 「絵画や彫刻など369点 県立美術館で「猫まみれ展」」
2016.05.08 「イラストレーター 浅生さん 猫・作品 魅力語る」
2016.05.08 「猫まみれ展① 歌川広重《名所江戸百景 浅草田圃酉の町詣》」(吉田映子)
2016.05.09 「猫まみれ展② 木村荘八《たま》」(吉田映子)
2016.05.10 「猫まみれ展③ 柳原義達《猫》」(吉田映子)
2016.05.11 「猫まみれ展④ テオフィル・A・スタンラン《夏-手すりの上の猫》」(吉田映子)
2016.05.12 「猫まみれ展⑤ ルイ・イカール《スイート・ミステリー》」(吉田映子)
2016.05.13 「猫まみれ展⑥山城隆一《「ネ・コラージュ」より》」(吉田映子)
2016.05.14 「猫まみれ展⑦オーブリ-・ビアズリー《黒猫》」(吉田映子)
2016.05.15 「猫まみれ展⑧大森暁生《月夜のテーブル-Burmese》(吉田映子)
 
中日新聞
 2016.04.24 「美術館だより 小林清親《猫と提灯》」(吉田映子)
2016.05.01 「美術館だより 歌川国梅《新ぱん猫世帯ままこしらへ》」(吉田映子)
2016.05.22 「美術館だより 木下晋《甘え》」(吉田映子)
2016.05.29 「美術館だより 木村荘八《われがすみか 初代竹枝せん》」(吉田映子)
2016.06.03 「猫 ネコ ねこ 多彩に 絵画や彫刻、版画 369点」(黒藪香織)
2016.06.05 「美術館だより 秀島由己男《夜の根子岳(猫岳)》」(吉田映子)
2016.06.19 「美術館だより 合田佐和子《White Heart》」(吉田映子)
2016.06.26 「美術館だより 岩松(新田)道純《猫図(新田猫)》」(吉田映子)
 
毎日新聞
2015.06.13 「アート 特有の時間に巻き込まれ 籔内佐斗司《猫も歩けば》」(吉田映子)
 
月刊freek[フリーク]
2016.4.1 Vol.67 「LET’S ART-WALK 三重県立美術館学芸員の「私のオススメ」『ジャパニーズ・ボブテイル』高橋弘明」(吉田映子)
2016.5.1 Vol.68 「LET’S ART-WALK 三重県立美術館学芸員の「私のオススメ」『猫恋人(ねこらばさん)』木村荘八」(吉田映子)
2016.6.1 Vol.69 「LET’S ART-WALK 三重県立美術館学芸員の「私のオススメ」『志んぱんねこづくし』作者不詳」(吉田映子)
 

主な放映・放送

ラジオ番組
ラジオキューブFM三重
2016.04.27 『広瀬 隆のラジオ魂!』「MIEリポート」
2016.06.07 『EVENING COASTER』「こんにちは三重県です」
2016.06.08 『READY!』
 
テレビ番組
NHK東海
2016.05.03 『NEWS WEB』「ネコがテーマ“猫まみれ展”」
 
CBCテレビ
2016.05.06 『イッポウ!』
 
ZTV
2016.06.01 コミュニティチャンネル『伊勢 美し国から』「津の文化ゾーン 芒種の頃」


 

出品作品リスト

 

展覧会開催時のページ

 

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