令和04年10月09日
三重の実物図鑑 特集展示「伊勢型紙 技をきわめる」を開催します
三重県総合博物館(MieMu)では、三重の実物図鑑特集展示「伊勢型紙 技をきわめる」を開催します。
伊勢型紙とは、鈴鹿市の白子・寺家地区の型彫り職人によって彫られた、生地に模様を染め抜くための紙製の型のことで、三重県を代表する伝統工芸品の一つです。令和2年度、昭和・平成の時代を代表する伊勢型紙錐彫(きりぼり)技法の伝統工芸士であった故六谷泰英(ろくたにやすひで)氏の作品や道具、収集資料など約1万点が当館に寄贈されました。今回の展示では、六谷泰英氏の作品を中心に、型紙制作の基本となる小本(こほん)、図案研究のため収集した幕末の見本帳などを展示します。
1期間:令和4年10月29日(土)から11月27日(日)までの開館時間中
2場所:三重県総合博物館3階 三重の実物図鑑人文コーナー(津市一身田上津部田3060)
※どなたでも無料でご覧いただけます。
3主な展示品
(1)六谷泰英氏製作の型紙
六谷泰英氏は、伊勢型紙の4つの彫刻技法「突彫(つきぼり)」、「錐彫」、「道具彫
(どうぐぼり)」、「縞彫(しまぼり)」のうち、錐彫を専門としました。六谷泰英氏の
熟練の手わざによる作品、12点を展示します。
(2)六谷泰英氏が使用した道具類
小本:小本は小型の紙に彫られたパターン原紙ともいうべきものです。小本を地紙にあて、
上下左右に移動させて文様を転写することで、一枚の型紙の文様が生み出されます。
小本は伊勢型紙制作の基本となります。
彫刻刀(錐):型紙を制作するための彫刻刀です。この半円形の刃をもつ彫刻刀(錐)を回転させて、
極小の円を彫り抜きます。錐彫では、職人自身が錐を制作します。
(3)六谷泰英氏の収集資料
六谷泰英氏は、図案研究のために、過去の型紙に関する資料を収集していました。収集品のなかには、
幕末から明治期にかけての小紋(こもん)の見本帳、錐彫の型紙、小本などがあります。ここでは、
幕末、明治初期の小紋見本帳を中心に展示します。
伊勢型紙(錐彫) 飛鶴 六谷泰英 作

伊勢型紙(錐彫) 飛鶴【拡大】

六谷泰英氏が型紙制作に使用した彫刻刀(錐)
