100歳になる階段(県立博物館正面階段)
資料名 | 100歳になる階段 (旧三重県立博物館正面階段) |
時 代 | 明治時代 | |
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解 説 | 津駅南側の踏切をわたると正面に旧三重県立博物館があります。たまに、お客様に「こんなロケーションのいい位置にあるなんてね」とやや不審そうに語りかけられることがあります。そんな時は「いえいえ。もともとこの博物館の場所へ向けての道だったんですよ」とお答えしています。 実は、旧県立博物館前の階段は、今からちょうど100年前、大きな博覧会が行われたメインパビリオンの正面階段なのです。 明治40年(1907年)4月から6月の間、津市公園(偕楽公園)とその周辺を主会場に、「第九回関西府県連合共進会」と呼ばれる博覧会が開催されました。明治時代には富国強兵・殖産興業を推進するため、各地で博覧会が盛んに開催されました。三重県で開催された第9回目は、日露戦争で一旦「無期延期」となり、戦後に再開された経緯を持ちます。参加県は、静岡県から山口県にかけての2府20県の連合になる大規模なイベントでした。 津駅から津市公園にかけての主会場には、時計塔、工業館、農業館、特許館、参考館、奏楽堂、各県の売店など、今で言うパビリオンが立ち並び、夜間は当時珍しかった7千余りの電球を使ったイルミネーションがともされ、「煌々(こうこう)トシテ人目ヲ奪(うばう)」と報告書に記されました。60日間の開催期間に77万9566人の来場者があり、まさに空前の賑わいだったようです。 共進会の終了後、参考館は「三重県勧業陳列館」として残され、県内の生産品や県外の参考品を陳列しました。 この三重県勧業陳列館の跡地に、昭和28年6月、旧三重県立博物館が建設されたのです。ちなみに、博物館北東角の交差点の場所には、奏楽堂があり、昭和34年の伊勢湾台風で壊れるまで存続していました。(KS) |
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![]() いまも残る石階段 |
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![]() 第九回関西府県連合共進会会場 個人蔵 右上に見える石階段が、のちの旧県立博物館の正面階段です。 |
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![]() 第九回関西府県連合共進会全景 明治40年(1907年) 明治40年に津市で開催された第九回関西府県連合共進会の様子を俯瞰したものです。 |
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![]() 津(博覧会記念)音楽堂 個人蔵 |
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 各種記念絵はがき 個人蔵 左上:芸者踊り 右上:津公園陳列館 左中:関西府県連合共進会 右中:参考館 下:イルミネーション |