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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > ウミユリ(トラウマトクリヌス・ケイチョウエンシス)

ウミユリ(Traumatocrinus kweichowensis

資料名

和名 ウミユリ

学名 Traumatocrinus kweichowensis
実物

登録番号 Fo 1515
分 類

節棘皮動物門 有柄亜門
ウミユリ綱  関節亜綱
ウミユリ目

産 地 中華人民共和国 広西壮族自治区 桂林市
時 代

中生代三畳紀中期
(2億4590万年前
        ~2億2870万年前)

全 長 縦75㎝、横100㎝、厚さ4㎝
解 説

ウミユリは、カンブリア紀中期(約5億500万年前)以降に出現した、ウニ、ナマコ、ヒトデなどと同じ棘皮動物です。棘皮動物は、海生無脊椎動物の中の1門で、現生では、ウミユリ、ヒトデ、シャリンヒトデ、クモヒトデ、ウニ、ナマコ類の6綱、約7,000種が知られています。古生代には、これまで約20綱、化石種は約13,000種以上が発見されており栄えていました。しかし、その数は徐々に減少し、座ヒトデ綱、ウミツボミ綱、ウミリンゴ綱などといった多くの綱も次々と絶滅し、古生代終末のペルム紀末期に起こった生物の大絶滅で、現生の6綱にまで衰退してしまいました。このため、ウミユリ類は、現生のゴカクウミユリに代表されるように「生きている化石」と呼ばれています。
 ウミユリという名前の由来は、植物のユリが海底に生えているような姿からきています。
 その体は、萼(がく)と腕からなる花のような冠部と、下方にのびる茎部からなりたっています。
 今回、紹介するトラウマトクリヌス・ケイチョウエンシスの産地は、中国桂林市ですが、学名にケイチョウエンシス(kweichowensis)とあるのは、桂林市より北方にある「貴州省」からきています。冠部拡大写真をよく見てみましょう。腕は萼に5対あり、この腕に生える羽枝を広げて海水中の餌をとり、萼部の上の口に運び入れていたと考えられています。また、全体写真をみると、長い茎部が多くみられます。通常、ウミユリの化石は、短く折れた茎部として見つかる場合がほとんどですが、この資料は、ウミユリの姿をよく残しています。おそらく、海の底で静かに堆積したか、あるいは、少し流されて堆積したと考えられます。

全体 (縦75㎝、横100㎝、厚さ4㎝)

全体 (縦75㎝、横100㎝、厚さ4㎝)

冠部の拡大(写真の左右:30㎝)

冠部の拡大(写真の左右:30㎝)

 

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