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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > カケス

カケス(Garrulus glandarius

資料名

カケス

学名  Garrulus glandarius
分類 鳥綱 スズメ目 カラス科
採集
場所
三重県津市榊原町
採集日 1995年1月27日
保存
方法
はく製標本
解説

今回のおすすめでは、このドングリが好物の鳥「カケス」をご紹介します。

カケスは体長30㎝程度で、ハトくらいの大きさです。全体的に渋い色の羽をしていますが、額から後頭にかかる冠羽には白地に黒い斑紋があり、翼の一部の大雨覆(おおあまおおい)と中雨覆(ちゅうあまおおい)は青と白と黒の縞模様になっていて、なかなか味わい深い色をした鳥です。
 
 カケスは雑木林やマツ林、落葉広葉樹林、針広混交林などいろいろな樹林に生息しています。雑食性で、昆虫やクモ類、果実、種子や木の芽などを食べています。また、小鳥の巣を襲い、卵やヒナをとることもあります。秋には、好物のシイやナラなどのドングリの樹に集まり、枝の上で、ドングリをくわえ取ると足の指で押さえながら、丈夫なくちばしで中身を取り出して食べます。カケスにとってドングリは食べ物の少なくなる冬を越すための大切な食料です。くちばしでくわえ取ったドングリを3~7個ぐらい呑み込み、のどに貯めてなわばりまで運びます。面白いことに、ドングリを全部呑み込んでしまわずに、必ず1個くちばしにくわえて運びます。なわばり内へ着くとドングリを吐き戻して1つずつ地中へ埋め込み、土で蓋をして蓄えます。この行動は貯食と呼ばれ、冬の間にそのほとんどを掘り出して食べるようです。

カケスは日本では一年中見られる留鳥ですが、冬場には暖かい地方や低地に移動するものもいます。警戒心の強い鳥で、観察する前に飛び立たれてしまうことも少なくありません。カケスはしゃがれた声で「ジャー」とか「ジェーイ」と鳴きます。カケスの英語名の「Jay」は、鳴き声そのものです。また、他の鳥や動物の鳴き声を真似することが得意で、ノスリやサシバなどの鳥や、ネコの鳴き声、さらには「おーい」という人の声なども真似たりします。

樹林や公園のドングリ林の中でジャーというしゃがれた声が聞こえてこないか耳を澄ませてみてください。もしかしたら、ドングリをくわえたカケスに出会えるかもしれません。(TM)

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