このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

ごあいさつ

 三重県立美術館では、1996年に彫刻家柳原義達の芸術の軌跡を紹介する「道標−生のあかしを刻む 柳原義達展」を開催しましたが、このたび未発表のデッサンを紹介する「柳原義達デッサン展」を開催することになりました。

 柳原義達(1910〜)は、1951年に開催されたサロン・ド・メ東京展でフランス現代美術から強い刺激を受けて1953年に渡仏、エマニュエル・オリコストらに師事して彫刻家として再出発をはかります。1957年に帰国した柳原は、《赤毛の女》《黒人の女》《バルザックのモデルたりし男》などの滞欧作によって具象彫刻の新たな可能性を提示し、その後《犬の唄》に代表される女性像や鴉や鳩をモチーフにした《道標》シリーズ等を発表して、ヒューマニズムに裏打ちされながら、生命の本質に肉薄する、緊張感あふれた一連の作品は高い評価を受けています。

 また、柳原義達は、優れた素描家としても知られています。柳原にとって、対象の一瞬の姿をとらえようとするデッサンは、彫刻制作とも密接な関わりを持つ、一日として欠かすことができない眼と手の営みです。人物や鳩が示す、自然の法則に従った一刻一刻の動きをスケッチブックに描きとめた柳原のデッサンは、光と陰のコントラスト、力強い手の動きから生まれる生命感に満ちあふれ、私たちに迫ってきます。

 この展覧会では、柳原義達の初期から最近までの初公開デッサン90点によって、倦むことなく続けられる柳原義達の創造の営み、光と陰、かたちがおりなす独自の造形世界を紹介します。最後に展覧会開催に当たって、格別のご協力を賜りました柳原義達先生ご夫妻を初め、ご支援をいただきました関係各位に深くお礼申し上げます。

1999年4月

三重県立美術館
(財)岡田文化財団

ページのトップへ戻る