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あいさつ

 萬鐵五郎(よろずてつごろう)は,自らの資質に忠実でありつづけ,42年間の短い生涯のうちに,激しい個性の溢れるすぐれた作品を数多く残しています。個性的な画家が次々と輩出した大正期にあって,萬鐵五郎はとくに際立って特色のある才能を輝かせました。その時代の多くの画家と同様に,この画家にも新しいヨーロッパ美術の奔流は押し寄せましたが,萬は,新しさをいたずらに追い求めることなく,フォーヴィスムやキュビスムの方法を採り入れながら,深く自己に沈潜し,自らの内部から湧きあがる表現を粘り強く探求しました。それは,画家の苦闘であると同時に,画家だけが手に入れることのできる強い喜びでもあります。

 萬の人間に対する関心が,独特のユーモアを混じえて示される一連の裸婦像,画家の感覚にすっかり染められて変容する風景群,形のおもしろさをみせながら静かな存在感をもつ静物画,どれをとってもこの画家の異才が鮮やかに反映されています。

 本年は,自ら「野蕃人」をもって認じ,自分の世界を極めることに全力を傾けた萬鐵五郎の生誕100年にあたります。神奈川県立近代美術館,三重県立美術館,宮城県美術館は,この記念すべき年に,この重要な画家の全貌を現代に蘇らせるべく,「萬鐵五郎展」を開催いたします。

 この展覧会を開催するにあたり,全面的な協力を惜しまれなかった岩手県立博物館をはじめ,貴重な作品を快くご出品くださいました美術館,博物館,所蔵家の皆様,ならびに,協賛をいただきました花王石鹸,ご支援を賜りました関係各位に,深甚の謝意を表します。

1985年

主催者

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