このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

ごあいさつ

 三重県立美術館と(財)岡田文化財団では、このたび、四日市出身の画家諏訪直樹の展開の軌跡を呈示する『没後十一年 諏訪直樹展』を開催いたします。

 諏訪直樹は、1954年三重県四日市市に生まれました。彼の画家としての活動は、1976年頃に始まります。当時は、もの派や概念芸術を経由して、従来の意味での制作という行為を再検討することが、余儀なくされた時期でした。諏訪の初期の点描による平面もまた、そんな絵画制作が自明ではありえなくなった状況を受けとめつつ、あらためて絵画を、色のついた点を一つずつ打っていくという営なみから始めることで、再建しようとする試みにほかなりません。そうした作業を経て、諏訪は、一方で筆致を生動化するかたわら、屏風や衝立、掛軸、岩絵具の使用など、日本の伝統的な絵画形式を採用しますが、これらもまた、絵画という表現方法が宿す歴史性を意識したものでした。

 諏訪は1990年、カヌーの事故のため36歳の若さで没しました。その試行はそれゆえ、未完にとどまらざるをえなかったというべきなのでしょう。他方今日、コンピューター・メディアの発展によって、絵画や彫刻といった形式はいやおうなく相対化されざるをえなくなっています。そんな状況だからこそ、諏訪の絵画再建の試みは、表現のあり方をめぐる、一つの問いかけとなりうるのではないでしょうか。

 今回の展覧会は、こうした諏訪直樹の、初期から晩年にいたる絵画作品32点により、初期の点描による作品から最後の大作となった『無限連鎖する絵画』にいたる、その展開の論理をたどりなおそうとするものです。

 最後に、展覧会を開催するにあたり、貴重な作品をご出品いただきましたご所蔵者の方々、資料調査等にご協力いただきました皆様ほか、関係各位に厚くお礼申し上げます。


2001年11月

三重県立美術館
(財)岡田文化財団

ページのトップへ戻る