ごあいさつ
『写真のエコール・ド・パリ』展を開催いたします。
昨今、写真と関係する美術館の相次ぐ開館、写真の誕生から今日までを回顧した展覧会を中心とした幾多の写真展の開催など、美術界でも写真が非常に注目をあびています。写真固有の歴史ばかりでなく、写真が美術と同様の芸術的価値を有していることなどを、ようやく、実際の写真作品の前に立って見直し、検証する条件が整いはじめたわけで、今後美術館において写真鑑賞層がますます増大するだろうことは疑いないでしょう。今回、6つの美術館が共同で『写真のエコール・ド・パリ』展を企画したのは、そうした事情を反映しています。
パリの1910年代から1930年代にかけてくりひろげられた美術のエコール・ド・パリと呼ばれる一群の作家たちの活動は、日本では頻繁に紹介されてきたこともあり、広く親しまれています。しかし同時期、パリを訪れ、それぞれの芸術を目指したのは写真家も同様で、彼らは美術ばかりでなく、ファッション、ジャーナリズム、映画など広いジャンルと密接に関係しつつ、芸術の都パリという地、そこに住まう人々をファインダーからのぞき、シャッターを押し続けました。本展は、その写真家たちのまなざしをとおして、もうひとつの、いわば写真のエコール・ド・パリの成立する可能性を問おうとするものです。
最後になりましたが、本展の開催にあlたりまして、PICTOはじめご協力いただいた関係各位に心から感謝の意を表します。
主催者