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ごあいさつ

このたび,三重県立美術館,伊丹市立美術館,神奈川県立近代美術館は,共同企画により「向井良吉展」を開催いたします。

1918年1月26日,京都市に生まれた彫刻家向井良吉は,京都市立美術工芸学校彫刻科で彫刻を学んだ後,東京美術学校彫刻科塑造部を卒業しましたが,1942年,徴兵のために,南太平洋のラバウルに配属され 同地で敗戦を迎えました。

戦後,向井良吉は,京都で彫刻制作を再開し,1950年,行動美術協会彫刻部の創設に参加,翌年から,行動展を主な作品発表の場とします。

1952年,向井は京都から東京に転居,1954年には初めてヨーロッパに旅行し,約1年間パリに滞在,1955年8月に帰国しました。この頃,向井は,木に穿った孔と曲面とによる構成を示す「アフリカの木」の連作を発表し,注目を集めました。

1960年,向井はバラフィン系(ろう)型原型による新技法を開発し,アルミニウムやZAS合金を素材として,「蟻の城」に代表される複雑な形態の金属彫刻を制作し,国際的にも評価されるようになりました。それらの作品は,楽器や昆虫,動物などに主題を求め,複雑な立体構成の中に,詩的情趣や過酷な戦争経験に基く不安な感覚を漂わせ,独自の世界をつくっています。

向井良吉の活動は彫刻制作にとどまらず,タピストリーや舞台の鍛帳,装飾レリーフの制作など,建築物と関係した広い分野に及び,日本国内だけでなく海外にも多くの作品が設置されています。

また,向井良吉は,都市と彫刻,建築とが密接に結びついた「彫刻都市」の整備を唱えて,1960年頃から各地で行われるようになった野外彫刻展に積極的に参加し,宇部市や富山市,札幌市など全国各地にモニュメンタルな野外彫刻を制作し,70歳を越えた現在も,精力的な創作活動を続けています。

本展は,1955年の「アフリカの木」以後の戦後の代表作62点に,最新作12点,タピストリー9点,写真パネルなどを加えて展示し,向井良吉の全貌を紹介しようとするものです。

最後に,本展開催に当たり,貴重な作品をご出品いただきました美術館及び所蔵者の皆様をはじめ,ご協力いただきました関係各位にあつくお礼申し上げます。

1989年

主催者

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