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あいさつ

1930年にイスラエルのテル・アヴィヴに生まれた彫刻家ダニ・カラヴァンの日本で最初の展覧会を開催できることは、主催者にとって大きな喜びです。

カラヴァンは、彫刻家といっても、まったく独自の、いままでにあまり例をみない彫刻家といわなくてはならないでしょう。その作品は、台座に飾られるような観賞用の美術品としての彫刻ではなく、また、巨大な遺蹟を思わせるスケールをもっているにしても、そこに住むことを目的としていないという意味では、けっして建築でもなく、都市でもありません。むしろ、その場所に備わっている地理的・気象的・歴史的な環境を、作品の素材に取り込みながら、その場所そのものを、みずからの造形物と協動する作品に変えてしまうような気宇壮大にして、きわめて人間的な創造をカラヴァンは、試みつづけてきたと申せましょう。

こうした作品の性格から、カラヴァンの仕事の本質は、その場所を離れてしまうと、なかなか理解しにくい側面があったことも確かです。イスラエルとヨーロッパでのその名声にもかかわらず、日本での紹介が遅れたことの理由には、そのような事情も働いていたものと思われます。今回の日本での展覧会では、カラヴァンの全貌をヴィデオ・モニター、写真、模型、などを駆使して紹介すると同時に、各会場の展示そのものが、それぞれひとつの作品になるように工夫が凝らされます。美術館という「場所」が、カラヴァンによっていつもとは異なった思索の場に変貌するものと思います。

今回の展覧会のために全面的な協力を惜しまれなかったカラヴァン氏とそのスタッフの方々、レールやオリーヴ樹といった通常の展覧会ではあまり使用されることのない材料の入手にご協力をいただいた方々、そしてさまざまなご協力をたまわった関係各位に心より感謝の意を表します。

1994年11月

主催者

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