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ごあいさつ

このたび平塚市美術館と三重県立美術館において、「鳥海青児展」を開催します。

鳥海青児は、1902年(明治35)神奈川県平塚の生まれ。1924年、関西大学在学中に第2回春陽会に入選して頭角をあらわし、やがて本格的な絵画研究を志してパリに行きました。1930年のことです。そしてドラクロアの芸術に示唆されてアルジェリアに渡り、乾燥した大陸の風土に魅せられて数多くの作品を制作し、さらに、その後スペインに渡り、強くゴヤの影響を受けました。

1933年帰国。西欧で深めた絵画思考を土台に、日本の風土に根ざした堅固な表現をめざし、盛んな制作活動を展開して戦後におよびますが、その取材地も中国、エジプト、イラン、インド、ペルー、メキシコなどの各地にひろがり、1972年に没するまで、独自で、しかも魅力に富む作品を世に問いつづけました。

鳥海青児がみずからの課題としたのは、西欧の借り物でない独自のニュアンスある絵画表現でした。はじめはフォーヴィスムの影響のもとに、自然の大地から受ける重厚なイメージを描く風景画家として出発しましたが、やがて静物、人物、建造物、遺跡などに画題をひろげ、形を単純化して対象の象徴的レアリスムを追求し、手ごたえのある厚塗りのマチェールを工夫して、まったく独自の表現世界を切りひらきました。こうした鳥海の芸術の歩みはわが国近代洋画史上の偉観といって差し支えありません。

今回の展覧会では、初期の≪平塚風景≫から絶筆となった≪フラメンコ≫まで、精選された油彩画120点、水彩、デッサン50点を一堂にあつめて鳥海芸術の全貌をうかがおうとするものです。

おわりに、本展開催にあたり、貴重な作品をご出品くださいました美術館ならびにご所蔵家の皆様、ならびにご協力くださいました関係各位に深く感謝申しあげます。

1994年

主催者

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