ごあいさつ
三重県立美術館では「見て」「感じて」「表現する」ことの楽しさを子どもたちに味わってもらうための美術鑑賞活動として、来館者対象のファミリープログラム及び教育機関と連携するスクールプログラムをおこなっています。
スクールプログラムの中にある学校団体の鑑賞には、遠足、社会見学、美術の授業を活用して、保育園から大学に至るまで多数ご来館いただいております。
この度「子どもアートinみえ」の中の参加体験型活動として「中学生の学芸員体験―わたしもキュレーター」を企画しました。これは鑑賞者として来館していた中学生が、作品を紹介する側として、職業的意識を持って美術作品に向き合うことにより、さらに美術に対して関心を高めることができると考えたものです。
担当校は毎年2年生全員で来館し展覧会を鑑賞する授業を実施されているなど、鑑賞教育に熱心に取り組んでいる津市のセントヨゼフ女子学園中学校にお願いし、この度は3年生選択美術の授業(教科担任:水井博愛教諭)の中で当館と連携し取り組んでいただきました。
少ない授業時間数の中で展覧会を企画していくのは難しいことでしたが、生徒たちは所蔵品5000点の中から独自の視点で、来館者の皆様に紹介したい作品を熱心に選び出すなど、作品選考から展示そして解説に至るまで一貫して意欲的に取り組んでいました。参加した生徒たちにとって本活動が貴重な体験となり将来に活かしてくれることを祈ると共に、ご鑑賞いただいた皆様には、現代の子どもたちの持つエネルギー(見る、考える、表現する力)を感じとっていただければ幸いです。
15歳のキュレーターたちが語る作品への思いと共に当館所蔵品の数々をお楽しみください。
最後になりましたが、本展の開催にご協力いただきましたセントヨゼフ女子学園中学校関係者の皆様に篤く御礼申し上げます。
三重県立美術館
2009年12月