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美術館 > 刊行物 > 年報 > 2002年度版 > 平井憲廸 《白い昼下がり》 移動美術館 2002.8

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平井憲廸 (ひらいのりみち/1915-1982)
白い昼下がり

1962年 油彩・キャンバス 平井多久麻氏寄贈


1915年、現在の三重県三雲町に生まれた平井憲廸は、三重師範学校に学んで教員となり、中国や東南アジアへ応召の後、1946年に復員、1948年からは高田学苑に美術の教員としてつとめるかたわら、三重県展や松阪市美術展など地元の公募展に出品し、たびたび審査員もつとめて、三重県の美術界で活動した。また、1955年から1968年にかけては独立展にも作品を出品したが、1970年代以降は毎年のように開催される個展が主な作品発表の場となった。

平井は、油彩画だけでなく水墨画や日本画も数多く制作するなど、幅広い領域で制作活動を行ったが、その本領は油彩画にあった。平井の洋画は、光への敏感な感覚を示す写実的表現による人物画からスタートしている。1950年代半ば頃にはキュビスム風の構成的な作品を描いたりしたが、1960年代以降は強い運動感を示す、自由奔放な表現になる抽象的な作品へと急激に変化し、そうした作者の息づかいをそのまま伝えるような動勢が、平井作品の大きな特質となった。


作家別記事一覧:平井憲廸
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