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美術館 > 刊行物 > 年報 > 2002年度版 > 林義明 《エビス島》 移動美術館 2002.8

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林 義明 (はやしよしあき/1890-1973)
エビス島

1965年 油彩・キャンバス 林千代氏寄贈


1890年、和歌山県海南市に生まれた林義明は、和歌山県師範学校を卒業し、高野山尋常小学校で教員生活を送った後、1914年に東京美術学校師範科に入学している。美術学校在学中の1916年、林は和歌山で開催された第1回南紀洋画展に出品、翌年美術学校を卒業した林は、東京の成蹊中学校、栃木県立宇都宮中学校につとめた後、1920年に「かねてあこがれていた暖かい南紀潮岬や志摩等の海が描きたくなり」三重県津中学校に転任してきた。

図画教師としての林は、生徒たちを校外写生に連れ出し、また芸術論を語るなど自由な美術教育を実践して、多くの生徒たちから慕われたという。また、休日を利用して県内各地をはじめとする各地へ頻繁に写生旅行に出かけ、そうした写生旅行から生まれた風景画を主体とする作品を個展で発表し、地元の美術関係団体の中心的存在として活躍した。セザンヌを敬愛したという林は、敬虔な自然観照に基づき、大らかな作者の心持ちが伝わってくる風景作品を数多く描いた。


作家別記事一覧:林義明
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