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美術館 > 刊行物 > 友の会だより > 2019 > 香りを知り、香りを楽しむ2つの講座 友の会だより114号 2021.3.31

香りを知り、香りを楽しむ2つの講座

2020年10月31日(土)、11月7日(土)

三重県立美術館学芸員 道田美貴

 2本の展覧会が中止となり、今年度最初の企画展となった「香りの器―高砂コレクション」。古代オリエントの香油壷からマイセンなどの陶磁器、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、現代にいたる香水瓶、さらには日本の香合や香道具などを展観、古今東西の多様な香りの文化をご紹介しました。
 見ることも、触れることも、時を超えてのこすこともかなわない香りについての理解を深め、興味を広げていただくため、会期中、感染症対策を講じながら2つの講座を実施しました。10月31日は、斎宮歴史博物館の船越重伸学芸員による「貴族の個性はお香から」。『日本書紀』や日本に現存する最古の薫物指南書とされる『薫集類抄』など、香りにまつわる文献を紐解きながら、日本古代の香りの歴史をご紹介いただきました。講座の最後に香りを体験し、『源氏物語』の世界に思いをはせた方も多かったのではないでしょうか。
 11月7日は、高砂香料工業フレグランス研究所の調香師・岡島佐和子氏による「香水の世界―香りに親しむひととき」。匂い紙に含ませた様々な香りを嗅ぐ体験を交えながら、調香師という仕事や香りの原料、香水の歴史から流行まで、様々な切り口で香りの魅力をお話しいただきました。いずれの講座も、終了後、改めて展示室に向かい、〈香りの器〉を熱心に鑑賞する受講者の姿が印象的でした。

(友の会だより114号、2021年3月31日発行)

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