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美術館 > 刊行物 > 友の会だより > 2019 > 三重県立美術館のスペイン美術コレクション 友の会だより116号 2022.3.30

三重県立美術館のスペイン美術コレクション

坂本龍太(三重県立美術館学芸員)

 2022年、本年は三重県立美術館の開館40周年の記念すべき年であるとともに、三重県とスペイン・バレンシア州の姉妹提携の締結30周年に当たる年でもあります。三重県立美術館の作品収集方針に「スペイン美術」が含まれたのは、この姉妹提携がきっかけです。これにより、ムリーリョをはじめ、ゴヤやピカソ、ダリ、ミロ、タピエス、チリーダそしてバルセロなど、近代から現代にいたる名だたるスペイン人作家の作品がコレクションに加わりました。
 このコレクションの中でも、とりわけ異彩を放っているのが、バレンシアの画家達の作品です。1997年に姉妹提携5周年を記念して開催された、「《移動》―バレンシアの七人展」を契機にコレクションに加わりました。その中には都市を亜鉛やアルミニウムのパーツでインスタレーション的に表現したミケル・ナバーロの作品や、静物画を三次元に変換したカルメン・カルボの立体作品、そしてグラファイト(石墨、黒鉛)による黒地にユーモラスなイメージを浮かび上がらせるジョアン・カルデイスの平面作品など個性豊かな作品が含まれます。
 あれから早25年経ちます。昨年、彼らの作品の一部を展示しましたが、姉妹提携30周年となる本年は、コレクション展(2022年11月19日開幕予定)でより多くの作品をご覧いただく予定です。90年代当時を知る方は作品との再会をお楽しみいただき、あの頃に思いをはせてください。また、初めて見る方はきっとその独創的な表現に魅了されることとなるでしょう。今もなお色あせない魅力を放つ彼らの作品をぜひ展示室でご堪能下さい。

(友の会だより116号、2022年3月30日発行)

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