このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

サイト内検索

三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > オオシマザクラ(Prunus lannesiana)

オオシマザクラ(Prunus lannesiana

オオシマザクラ(標本)

オオシマザクラ
資料名

和名 オオシマザクラ
学名 Prunus lannesiana

資料番号 MPMP004176
分類 被子植物門
双子葉植物綱
バラ亜綱
バラ目
バラ科
サクラ属
採集日 昭和25(1950)年4月13日
採集地 伊賀市(旧上野市)
解説 偕楽公園をはじめ日本全国で植栽されている桜の代表的な品種といえば「ソメイヨシノ」が有名です。江戸時代末期ごろに江戸の染井村(現在の東京都豊島区駒込)にあった植木屋が売り出して全国に広まったといわれ、近年、「エドヒガン」を父親に「オオシマザクラ」を母親にして誕生した交配種であることが遺伝的研究やDNA解析によって確認されました。しかし、人工交配によるのか、両種の分布が重なっていた伊豆地方における自然交配によるのかなど詳しいことは、まだわかっていません。
ソメイヨシノの母親にあたるオオシマザクラは、白い花の開花とほぼ同時に緑色の葉が伸びるのが特徴で、白と緑の取り合わせによってとてもさわやかな印象を受ける桜です。もとは伊豆諸島原産の日本特産種ですが、樹勢が強いことから薪炭材として各地に植栽されたものが野生化したり、公園樹として植栽されたりして、今では全国各地で見ることができます。香りが強いのもこの花の特徴で、花や葉の色とあわせて気をつけて観察すると県内でも公園や学校で見つけることができます。(N)
おまけ
オオシマザクラの葉を塩漬けしたものは「桜葉」と呼ばれ、おもに桜もちに使われます。静岡県賀茂郡松崎町がおもな産地で、全国の使用量の7割以上を生産しています。刈り込んだオオシマザクラから伸びた新しい枝の葉を摘み取って、50枚ずつ丁寧に束ね、大樽で約半年間、塩漬けすると独特の香りが強まります。この香りの成分は「クマリン」と呼ばれ、酸化防止や抗菌、鎮痛などの効用があるといわれています。
収穫風景   漬け込み風景
桜葉の収穫風景(画像提供:静岡県松崎町役場)       漬け込み風景(画像提供:静岡県松崎町役場)


「桜葉」完成品   桜もち
「桜葉」(完成品)                      「桜もち」(使用例)
ページID:000061532