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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > アライグマ Procyon lotor (Linnaeus

アライグマ(Procyon lotor (Linnaeus

資料名
アライグマ
    
写真@アライグマ(三重県産)
学 名  Procyon lotor (Linnaeus,1758)
分 類

哺乳綱 ネコ目 アライグマ科

写真@

  資料番号 未24
  採集場所 三重県多気郡多気町井戸谷
  採集日 1993年4月3日

写真A   資料番号 未80
  採集場所 アメリカ合衆国インディアナ州
  採集日 1995年5月2日

  性別  オス

解 説

みなさんは1977年にテレビで放映された大人気アニメ、「あらいぐまラスカル」を知っていますか。今でもラスカルの人気は高く、グッズなども多数販売されています。

 今回はこのアニメの主人公として親しまれているアライグマについて紹介します。アライグマはネコ目アライグマ科に属する北米原産の哺乳類で、本来日本には生息しません。しかし、日本でも、多くの動物園などで飼育されるようになり、また、アライグマの人気が高くなるにつれ、一般の家庭でもペットとして飼われるようにもなりました。

 日本で、アライグマが最初に野生化したのは、1962年に愛知県犬山市の動物園で飼育されていた個体が逃亡し定着したものとされています。その後、北海道でも飼育個体の逃亡によってアライグマが定着し、さらには、アニメとは異なり、気性が荒いため、ペットとして飼いきれなくなった個体が山へ放たれるケースもあり、各地で野生化が進んだようです。今では、40以上の都道府県でアライグマの確認情報があり、三重県でも確認されています。
 
 写真@の個体は多気郡多気町井戸谷で捕獲されたものです。果物を持っている姿をしていますが、アライグマは前肢を器用に使うことができ、このため木登りや泳ぎなども得意です。写真Aの個体は水辺で食べ物を洗っている仕草をしていますが、アライグマは視力があまりよくなく、前足を水中に突っ込んで獲物を探る姿が手を洗っているように見えることから、その名がついたとされています。

 アライグマは頭からお尻までの長さ(頭胴長)が42〜60p、尾の長さ(尾長)は20〜41p、体重は4〜10sほどの大きさです。体毛は灰褐色で、目の周りに黒いマスクのような模様があり、尾にはアライグマの特徴としてよく知られる黒い輪模様が5〜10本あります。夜行性で水辺を好みますが、森林や湿地、農耕地、市街地など幅広い環境に生息しています。雑食性で小型の哺乳類や鳥、魚、昆虫などの他、果実や野菜なども食べるため、農作物への被害も報告されています。

 現在、アライグマは外来生物法(特定外来生物による生物系等に係る被害の防止に関する法律)で特定外来生物に指定されており、野外に放つことはもちろん、輸入や飼育なども禁止されています。本来の分布域ではない場所に移入された生き物の多くは新しい環境に適応できず、そこで子孫を残すことはできません。しかし、アライグマのように、まれに本来の分布域ではない場所でも定着するものもいます。これらは人間生活や日本の本来の生態系に大きな影響を及ぼすこともあり、問題となっています。

 かつてペットとして持ち込まれ、人気のあったアライグマは、今では特定外来生物とされ、国の防除の対象となっています。防除で捕獲された生物は、適正に飼育できる里親がある場合には引き取ってもらうこともありますが、多くは極力苦痛を与えないような方法で処分されてしまいます。人の一方的な都合で生き物がかわいがられたり、処分されたりすることは、その生き物にとっては迷惑なことであり、人、生き物の双方にとって不幸なことです。そのようなことがないよう、外来生物を無責任に飼ったり、野山や川などに放したり、逃がしたりしないことを一人一人が守っていくことが大切です。(TM)

 
写真Aアライグマ(アメリカ合衆国産)食べ物を洗っているような仕草
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