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八風道・街道の昔々

第1話

片葉の葦の伝説

井出神社には、茎の片側にしか葉のない葦の伝説があります。
昔々、このあたりは一面の沼地でした。きれいな水をたたえ、秋には紅葉が彩る美しい場所でした。 人々は「ここへ来ると心が安まる」と話し合い、野良仕事の合間にここへきて憩いのひとときを過ごすこともありました。
この場所で憩うのは、人ばかりではありませんでした。雁たちも、冬の間はここで過ごし、 春になると海を越えてはるかな韃靼(だったん)国へ渡っていくのでした。しかしその道は遠く遠く、 途中で力つきて海へ落ちてしまう仲間が出るほどのつらい道のりでした。
あるとき、雁たちは井手のお宮の神様に、どうかここに生えている葦の葉を一枚ずつ下さいとお願いをしました。 願いは聞き届けられ、葦の葉を一枚ずつ持って飛び立った雁たちは、疲れるとくわえていた葦の葉を海に浮かべて翼を休めました。
この時から井手神社の側に生える葦には茎の片側にしか葉がないのだということです。
片葉の葦の伝説 井出神社
井出神社

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