夏見廃寺出土塼仏・塑像

なつみはいじしゅつどせんぶつ・そぞう


指定区分

指定種別

有形文化財(考古資料)

指定・登録日

市町

名張市

所在地

名張市夏見字赤坂ほか

所有者

名張市教育委員会

員数

516点(大形?仏53点、方形三?尊?仏169点、小形独尊仏232点、連座?仏3点、塑像59点)

構造

-

年代

飛鳥時代~奈良時代
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概要

 夏見廃寺は、名張市夏見にある飛鳥時代から奈良時代にかけての寺院跡で、平成2年に国の史跡に指定されており、天武天皇の皇女、大来皇女により発願された「昌福寺」と推定されている。昭和21年から翌年に京都大学により発掘調査が行われ、塼仏の出土が知られていたが、今回県指定有形文化財に指定答申された塼仏・塑像は昭和59年度から62年度にかけて名張市教育委員会が、史跡の保存・整備のために実施した発掘調査により出土したものである。 
 塼仏は原型から踏み返して作成した雌型に粘土を押し当てるなどして作成した立体的なレリーフ状の仏像で、表面に金箔の残るものもある。金堂と推定される礎石建物の周囲から集中して出土しており、金堂の壁面を装飾していたものとみられている。意匠や大きさなどにより大型塼仏・方形三尊塼仏・小形独尊塼仏・連座塼仏に分類される。 
 塑像は講堂とみられる礎石建物の須弥壇床面から破砕した状態で出土しており、全形は窺われないが、螺髪(長さ6cmほど)や足の指、天衣の一部とみられるものがあり、部分的に赤色顔料が残る。 
 夏見廃寺出土の塼仏は飛鳥時代から奈良時代の初頭に盛行した塼仏ひいては当時の仏教文化を研究するうえで極めて貴重な資料であり、名張市教育委員会所蔵の資料は量的にも、モチーフの多彩さや図様の鮮明さといった質的にも最も重要なものであり、県指定有形文化財として十分な内容を持つものである。

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