天然記念物とは?
天然記念物とは、ひと言でいえば「貴重な自然を記念する」ものです。文化財保護法では、動物や植物、地質鉱物で、わが国にとって学術上価値の高いものとされています。
稀少で珍しい動植物や自然地形・岩石、それを構成する鉱物というだけでなく、その地域の自然を特徴づけるものや、歴史を語る重要な証拠となる自然のものを将来にわたって引き継ぐため、天然記念物という文化財に指定し、みんなで保全を図っていこうという制度です。
天然記念物には、国が「文化財保護法」に基づいて指定したもののほか、県や市町村でも条例で定めて指定しているものがあります。
また、国指定天然記念物のうち、世界的または国家的に特に価値が高いものは、特別天然記念物とされるものがあります。
三重県の代表的な天然記念物は?
特別天然記念物では、「カモシカ」や「オオサンショウウオ」が生息しています。「カモシカ」では、鈴鹿山地と紀伊山地に保護地域が設定されています。
その他にも、動物では、淡水魚の「ネコギギ」や、小動物の「ヤマネ」、家畜として飼育されている河内奴や小国鶏などの「日本鶏」、日本犬の「紀州犬」などがあり、 植物では、四日市市の「御池沼沢植物群落」や紀伊長島町の「大島暖地性植物群落」のような植物の群落、鈴鹿市の「長太の大クス」のような巨樹巨木、尾鷲市の「九木神社樹叢」のような神社の社叢などがあります。 地質鉱物では名勝としても指定されている熊野市の「鬼ヶ城」や、日本の地質100選にも選定された松阪市の「月出の中央構造線」、そして天然保護区域として大台町の「大杉谷」など、様々な天然記念物があります。
代表的な動物
天然記念物を保全していくために
天然記念物を保全していくために、保護管理指針を定めたものがあります。また、保全のための、いろいろな調査を実施しており、調査報告書としてまとまっているものもあります。
【保護管理指針】
特別天然記念物オオサンショウウオ保護管理指針 (PDF約250kB)
天然記念物ネコギギ保護管理指針2021 (PDF約6.4MB)
県指定天然記念物オオダイガハラサンショウウオ保護管理指針(PDF約3MB)【調査報告書】
鈴鹿山地カモシカ保護地域第5回特別調査中間報告書(PDF約5MB)
紀伊山地ツキノワグマ・小型サンショウウオ類分布調査報告書(PDF約2.6MB)
紀伊山地カモシカ保護地域第4回特別調査報告書(PDF約45MB)
鈴鹿山地カモシカ保護地域第4回特別調査報告書(PDF約5.6MB)
員弁川水系天然記念物ネコギギ保護増殖事業報告書 (PDF約3MB)
平成19年度ネコギギ生息状況調査報告書(PDF約4MB)
三重県指定天然記念物造礁サンゴ群生地におけるサンゴの現状報告書(PDF約6MB)
三重県指定天然記念物栃ヶ池湿地植物群落調査報告書2008(PDF約750kB)
【その他】
天然記念物の指定基準
国が指定する天然記念物の場合、このページの最後に掲げる基準で指定がなされています。
【動物】
1 日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地
2 特有の産ではないが、日本著名の動物としてその保存を必要とするもの及びその棲息地
3 自然環境における特有の動物又は動物群聚
4 日本に特有な畜養動物
5 家畜以外の動物で海外よりわが国に移植され現時野生の状態にある著名なもの及びその棲息地
6 特に貴重な動物の標本
【植物】
1 名木、巨樹、老樹、畸形木、栽培植物の原木、並木、社叢
2 代表的原始林、稀有の森林植物相
3 代表的高山植物帯、特殊岩石地植物群落
4 代表的な原野植物群落
5 海岸及び沙地植物群落の代表的なもの
6 泥炭形成植物の発生する地域の代表的なもの
7 洞穴に自生する植物群落
8 池泉、温泉、湖沼、河、海等の珍奇な水草類、藻類、蘚苔類、微生物等の生ずる地域
9 着生草木の著しく発生する岩石又は樹木
10 著しい植物分布の限界地
11 著しい栽培植物の自生地
12 珍奇又は絶滅に瀕した植物の自生地
【地質鉱物】
1 岩石、鉱物及び化石の産出状態
2 地層の整合及び不整合
3 地層の褶曲及び衝上
4 生物の働きによる地質現象
5 地震断層など地塊運動に関する現象
6 洞穴
7 岩石の組織
8 温泉並びにその沈殿物
9 風化及び侵蝕に関する現象
10 硫気孔及び火山活動によるもの
11 氷雪霜の営力による現象
12 特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本