藤堂藩伊賀作事方関連文書 規矩尺集8巻8冊・規矩之萬記1冊・伊賀作事方関係施設図81枚 附 七代喜右衛門直道手帳1冊・諸事控1冊・薬師堂表門十分之一下図1枚・東京牛島屋敷図2枚・建築雛形本10種18冊・書盒「規矩尺集 伊賀作事方所蔵」の表記があるもの1・「絵図伊賀作事方所蔵」の表記があるもの1

とうどうはんいがさくじがたかんれんもんじょ


指定区分

指定種別

有形文化財(歴史資料)

指定・登録日

市町

伊賀市

所在地

伊賀市上野玄蕃町

所有者

個人

員数

9冊81枚

構造

-

年代

-
関係サイト
関連資料

概要

 藤堂藩における伊賀地域の藩関係施設の建築・維持を担当した伊賀作事方の棟梁(とうりょう)を務めた安場家に伝わる江戸時代末期の伊賀作事方に関する文書・書籍や図面類である。
 『規矩尺集(きしゃくしゅう)』は嘉永3年(1850)と同5年に、安場重恭ほか藤堂藩伊賀作事方により作成されたもので、上野城内の諸建築物から上行寺(藤堂家伊賀菩提寺)等の藩関連建築物に関する仕様、各部寸法、飾金物の意匠等の詳細且つリアルな8巻8冊の実測集である。
 『規矩之萬記』は、地固め・水縄張りから瓦葺き・挽家(ひきや)等の事まで、伊賀作事方に伝来した様々な建築作業の要点を解説した重要な技術書で、寛延2年(1749)の写本である。
 伊賀作事方関連施設図面は、上野を中心に名張、上柘植、平松、大坂などに所在する藤堂藩施設、並びに伊賀作事方が関与した寺社など44施設に関する81枚の図面で、保存図の性格を有するものと考えられる。図面の時期は文政10年(1827)~嘉永7年(1854)で、特に嘉永2・3年(1849・1850)に作成されたものが多い。図に描かれた施設の多くは、『規矩尺集』にその詳細が記されており、両者は相互補完的関係にある一連の資料と考えられる。
 『規矩尺集』及び伊賀作事方関係施設図面などは、江戸時代末期の藤堂藩伊賀作事方の調製した公文書の性格を持つものであり、伊賀作事方が組織的に、当時の藩施設ないし藩関連施設について整備した保存資料や参照資料の性格を有するものと考えられる。その表現内容は極めて詳細で充実しており、両者あいまって、伊賀の藤堂藩に関連する多様な建築施設を具体的に把握することができ、史料的価値は高い。
 附の『諸事控』『建築雛形本』等は伊賀作事方の活動や技術的背景を示すものである。

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