琴平山古墳

ことひらやまこふん


琴平山古墳

指定区分

指定種別

史跡

指定・登録日

市町

名張市

所在地

名張市赤目町壇字横山

所有者

八幡神社・個人

員数

構造

前方後円墳、全長約70m

年代

古墳時代(6世紀初頭~前半)
関係サイト
関連資料

概要

 琴平山古墳は、名張市赤目地区の丘陵尾根上に所在する、全長約70m、前方部長約34m、後円部径約36mの前方後円墳である。前方部に金比羅社の祠があることから、この名で呼ばれている。現状は山林で、平成16年9月6日に市指定史跡に指定されている。
 名張市教育委員会が、平成4年9月に範囲確認調査を実施した。その結果、墳丘は三段築成で、円筒埴輪の列や葺石が認められた。また、中軸線上の前方部裾には、人物埴輪や円筒埴輪が並ぶ方形の区画も確認された。後円部の横穴式石室は、長方形の石室に長い羨道が付くという古い形と考えられる。入り口の閉塞は、川原石を積んだ一般的な方法と異なり、花崗岩質の板石を立てている。このほかにも前方部やくびれ部の現地表面には露岩がみられることから、他にも石室が存在する可能性がある。
 南側のくびれ部付近に露出している石の下の斜面からは、多量の須恵器が層を成して出土した。最下層には、杯の身や蓋を重ねたものが数セット並べられ、これらより上の斜面には高杯や壺・器台・大甕などが置かれていたと推定される。これらは、埋葬後に行われた墓前祭祀の跡の可能性が高い。須恵器の時期は6世紀初頭から前半に比定されるが、上層からは5世紀代の陶質土器の把手付鉢も出土している。
 古墳の築造時期は、出土した須恵器や円筒埴輪などから、6世紀の初頭から前半にかけてと考えられる。
 本古墳は、名張盆地内で最初に造られた前方後円墳であり、最大規模でもある。古式の横穴式石室を埋葬主体とし、地域の首長層像を解明するうえで重要な古墳である。

ページのトップへ戻る