磨製石斧製作関係資料一括(宮山遺跡出土)

ませいせきふせいさくかんけいしりょういっかつ(みややまいせき)


磨製石斧製作関係資料一括(宮山遺跡出土)

指定区分

指定種別

有形文化財(考古資料)

指定・登録日

市町

明和町

所在地

多気郡明和町竹川503 三重県埋蔵文化財センター

所有者

三重県

員数

121点

構造

-

年代

弥生時代中期
関係サイト
関連資料

概要

 三重県いなべ市片樋に所在する宮山遺跡の発掘調査によって出土した、弥生時代中期の磨製石斧の製作に関連した考古資料である。
 宮山遺跡は、員弁川とその支流の青川に囲まれた河岸段丘上にあり、平成7年度の発掘調査の結果、弥生時代中期中葉を中心とする住居跡群が発見され、住居跡の周辺からは製作段階で破損した石斧の未成品と製作工具及び製作工程途上に生じた石屑が多量に出土し、磨製石斧が集中して製作された遺跡であることが判明した。
 出土した磨製石斧は大部分が未成品で、製作工程別に、剥離段階の未成品、敲打段階未成品、完成品の可能性があるものなどがある。完成品がほとんどないことから、完成品は他所に集積した後、別途各集落に流通したと考えられる。また石斧以外に、石斧製作工程の剥離段階の際に生じた石屑や、敲打段階に用いたと考えられる石製の敲打具、石斧の研磨の際に用いた研磨具や砥石も出土する。敲打具には敲打痕がみられ、研磨具や砥石には円滑な砥べり面が認められる。 また石斧製作に用いられた石材は、溶岩や岩脈が水と接触して破砕されてできた岩石(ハイアロクラスタイト)であることが判明している。
 ハイアロクラスタイトは、当遺跡所在地を流れる青川の上流にあたる鈴鹿山系の一部で産出することが確認されており、青川河床や段丘礫中にも多く含まれている。この石材で製作された石斧は、津市納所(のうそ)遺跡や四日市市菟上(うながみ)遺跡、明和町金剛坂(こんごうざか)遺跡、愛知県清須町朝日(あさひ)遺跡など、伊勢湾沿岸部の代表的な弥生時代の遺跡で確認されている。
 このように、弥生時代の代表的な生活用具の製作過程とその流通を解明するための重要な考古資料として、三重県の文化・歴史上学術的価値が極めて高いものである。

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