太刀 銘 勢州桑名藤原千子正重 寛文元年十二月及び同二年正月

たち めい せいしゅうくわなふじわらのせんごまさしげ かんぶんがんねんじゅうにがつおよびどうにねんしょうがつ


太刀 銘 勢州桑名藤原千子正重 寛文元年十二月及び同二年正月

指定区分

指定種別

有形文化財(工芸品)

指定・登録日

市町

桑名市

所在地

桑名市博物館

所有者

宗教法人 桑名神社・中臣神社

員数

2口

構造

-

年代

江戸時代(寛文元・2、1661・1662)
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関連資料

概要

 2口ある。①は刃長75.0㎝、反り2.5㎝。鎬造、庵棟。目釘孔1個。茎部に「勢州桑名藤原千子正重/寛文元年<辛丑>十二月吉日」の銘がある。彫は、佩部表に「春日大明神 敬 奉寄進 貞昌」、佩部裏に「三崎大明神 敬 奉奇進 貞昌」とある。②は刃長75.3㎝、反り2.2㎝。鎬造、庵棟。目釘孔1個。茎部に「勢州桑名藤原千子正重/寛文二年壬寅正月三日」の銘がある。彫は、佩部表に「春日大明神」とある。
 銘に見える正重は、室町時代の刀匠・村正を祖とし、「千子派」と呼ばれている。室町時代後期の千子派には、村正のほか、正重や正真らが見える。江戸時代には、村正が徳川家に祟るという風聞により村正銘の作品は見られなくなり、千子派の系統ではこの正重が存続している。
 ①の太刀を奉納した「貞昌」については、姓が分からず、どのような人物か不明である。②の太刀は、①の太刀から1ヶ月後に制作されている。
江戸時代の千子派の作品は極めて少なく、室町時代から続く桑名の千子派の工芸技術を示す正重の基準作例といえる。また、江戸時代の奉納刀として、文化史的にも価値が高い。

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