射和文庫並びに竹川竹斎関係資料

いざわぶんこならびにたけがわちくさいかんけいしりょう


射和文庫並びに竹川竹斎関係資料

指定区分

指定種別

有形文化財(歴史資料)

指定・登録日

市町

松阪市

所在地

松阪市射和町

所有者

個人

員数

1,355種 2,968点

構造

-

年代

江戸時代後期から明治時代初期
関係サイト
関連資料

概要

 射和文庫は、富商竹川竹斎(1809~1882年)によって嘉永年間(1848~1854年)、鳥羽藩領の伊勢国飯野郡射和村に開設された、私設の文庫である。蔵書の多くは,竹斎自らの収集にかかる1万巻と、西村広美・竹口信義・国分信親等親族による納本3,000巻を合わせたもので、個人蔵書を地域社会に開放した幕末の公開文庫として知られる。元来、近世の文庫はいわゆる個人文庫が一般的で、書籍を秘蔵するための施設であった。しかし、当該文庫では明らかに公開を前提にしており、地域住民の利用に供する書籍が集積されていた。こうした、当時としては極めて特異な文庫活動を支えたものが、“「民学」の興隆”“民間「文事」の振興”という射和文庫創設の理念である。
 現蔵本には、本居宣長・荒木田久老・同久守等の自筆稿本や手沢本、或いは勝海舟・佐藤信淵等の書簡、ヘボン(James Curtis Hepburn)の納本等が含まれる。明確に旧射和文庫の蔵書と確認できる現蔵本は、竹斎納本分302部、西村広美納本分27部、竹口信義納本分7部で、合わせて336部(種)である。今回の調査によって確認できた現竹川家の土蔵収蔵資料は1,355種2,968点で、竹斎の日記や同家伝来の文書・記録及び私的な蔵書等も含まれ、竹川竹斎の関係資料としては極めて重要な資料である。また、射和文庫の存在は、近世の文化史ないし社会史における注目すべきものであり、当資料は、三重県指定有形文化財(歴史資料)としてふさわしいものである。

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