更科紀行
寝覚の床(長野県上松町)
桟橋や命をからむ蔦葛
(かけはしやいのちをからむつたかずら)
桟橋や先づ思い出づ駒迎へ
(かけはしやまずおもいいずこまむかえ)
かけはしに来て真っ先に思い出したのは駒迎えの儀のこと。律令時代、朝廷に諸国から献上された馬を8月15日に天皇が紫宸殿前で謁見した。その行事が駒牽きの儀であった。この行事の為に朝廷の役人が逢坂の関まで出迎えに行くのが駒迎えの儀。桟に来て駒迎えを思い出したのは木曽の駒を献上するについてはこの桟を通らなければならないという危険についてだったのであろう。