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引本町(北牟婁郡引本町)


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 北牟婁郡引本町(現海山町)は、尾鷲湾から北東部に細長く深く入る湾沿いの引本浦・矢口浦と白石湖沿いの小浦からなる。明治22年(1889)の町村制施行時にはこれらの大字以外に須賀利浦(現尾鷲市)と白浦・島勝浦(現海山町)が加わって引本村を形成したが、30年5月須賀利村と白浦・島勝浦からなる桂城村が分割されたため、上記大字のみとなった。32年2月21日に長島町とともに町制を施行し、38年には540戸・2,895人の戸数・人口があった(『三重県史』別編 統計)。引本浦・矢口浦の海は波静かで、『三重県案内』には「穏波洋々として明鏡の如く風浪を避けて投錨する船舶常に絶へす」と紹介している。また、引本港は、35年から一時ではあるが、大阪商船株式会社の大阪・熱田間定期航路の寄港地となったこともある(『大阪商船株式会社営業報告書』)。

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