『伊州上野長田川筋城州笠置迄川絵図』 3巻 折本
文化8年 (1811年)
極めて精密に描かれた河川図で、保存状態も良く、三重県庁所蔵の絵図・地図類中でも出色のものです。河川の屈曲は、折り目指示に従って折り込むことで表現する工夫が施されています。また、地名や周辺風景もこまめに書き込まれており、他の河川図とも一線を画しています。
作者の速水春暁斎(1767~1823)は京都在住の絵師で、円山応挙に学んだと言われています。絵図が作成されたころ、江戸・大坂間の海運では難破が相次いでいたことから、陸送のために長田川の通船が計画されました。その中心となったのが京都の豪商角倉で、文化12年には長田川の通船が開始されています。こうしたことから本絵図は、角倉の依頼によって作成された可能性が高いものと考えられます。なお、写本が京都大学博物館に所蔵されるほか、地元伊賀の探溟文庫にも類似本があります。
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