『道の一句』入賞作品集
「俳聖・松尾芭蕉」のふるさととして「俳句のくにづくり」に取り組む三重県では、平成8年度の「海の一句」「旅の一句」、平成9年度の「花の一句」に続く全国俳句募集第4弾「道の一句」の募集を平成10年8月19日(はいくの日)から11月19日(いい一句の日)まで行いました。
応募総数は204,662句。選者はテーマ「道」の部門に俳人黛まどか氏を、雑詠部門には三重県俳句協会をそれぞれお迎えし、最優秀賞(各部門1点)をはじめとする162句の入賞句が決定しました。
三重県
最優秀賞
【テーマ部門】
雨止んで祭りの道となりにけり | 山村 忠男 | (岐阜県 武芸川町) |
【雑詠部門】
水見舞ひ裏の山から来りけり | 渡辺 紅南子 | (宮城県 丸森町) |
優秀賞
【テーマ部門】
枯岬ここから先は風の道 | 小林 康浩 | (大阪府 吹田市) |
道草の子に春泥の光りをり | 桜井 穆 | (三重県 四日市市) |
杖をつく畦もへんろの道として | 板東 紅魚 | (徳島県 北島町) |
【雑詠部門】
土筆摘む子を呼びに来て少し摘む保泉一生 | 保泉 一生 | (滋賀) |
伊達領へすこしはみだす稲架襖 | ![]() |
(秋田県 秋田市) |
その端を海に沈めて鰯雲 | 小林 チカ子 | (三重県 津市) |
奨励賞(テーマ部門)
【幼児 -最優秀賞-】
かえりみちたんぽぽさんにもただいまぁ | 西村 京奈 | (三重県 伊勢市) |
【幼児 -優秀賞-】
えんそくにもんしろちょうがついてくる | 伊藤 彩 | (三重県 御薗村) |
サンタさんまよわずきてねそらのみち | 北山 徹也 | (三重県 四日市市) |
いもほりのスコップのしたモグラみち | 清水 健太郎 | (奈良県 生駒市) |
あるくんだひまわりニコニコわらうみち | きのうち しゅん | (和歌山 県海南市) |
【小学生 -最優秀賞-】
夕焼けは遊んだあとの帰り道 | 小針 未希 | (福島県 泉崎村) |
【小学生 -優秀賞-】
わかれみちみぎもひだりもあきのかぜ | 伊藤 隆 | (三重県 御薗村) |
ランドセル北風の道カタコトと | 木本 有佳 | (三重県 久居市) |
どんぐりをおいて帰ろう道しるべ | 小林 由季 | (三重県 津市) |
ありの道元はお菓子の一かけら | 杉浦 文郁 | (愛知県 岡崎市) |
【中学生 -最優秀賞-】
落葉道大きく曲り図書館へ | 末永 真理 | (長崎県 佐世保市) |
【中学生 -優秀賞-】
春の道人との出会い待っている | 澤 由佳 | (三重県 名張市) |
どんぐりが秋を知らせる散歩道 | 溝下 小織 | (三重県 津市) |
流れ星空と空とを結ぶ道 | 村林 英典 | (三重県 伊勢市) |
ふるさとの道が分けたる菜の花畑 | 寺沢 高志 | (三重県 一志町) |
【高校生 -最優秀賞-】
夕やけの赤を加える秋の道 | 吉満 布弥 | (福岡県 福岡市) |
【高校生 -優秀賞-】
マフラーを二人で分ける散歩道 | 佐々木 裕美 | (三重県 大安町) |
向日葵も疲れきってる帰り道 | 中桐 聖 | (三重県 大内山村) |
地蔵道思いがけない涼しさよ | 山田 早矢加 | (愛知県 幸田町) |
塩の道時雨が馬の背を分ける | 近藤 あゆみ | (愛知県 豊田市) |
奨励賞(雑詠部門)
【幼児 -最優秀賞-】
あめのひはいえでねているこいのぼり | 湯浅 海舟 | (奈良県 香芝市) |
【幼児 -優秀賞-】
ふうせんととんでみたいなおそらまで | 佐藤 福子 | (三重県 北勢町) |
ひまわりが風とおはなししているの | ![]() |
(三重県 津市) |
みかんがりたべてもたべてもへらないよ | 山口 真穂 | (三重県 伊勢市) |
コスモスとかぜはとってもなかよしね | 奥田 望 | (愛知県 名古屋市) |
【小学生 -最優秀賞-】
コスモスに隠れてしまう乳母車 | 小坂 文人 | (愛知県 半田市) |
【小学生 -優秀賞-】
夕やけへとび込んでゆく新幹線 | 山本 駿 | (京都府 城陽市) |
いねかりで田んぼがみんなはだかんぼ | 山下 千晴 | (愛知県 知多市) |
しんごうが青にかわって赤とんぼ | 白川 聖也 | (千葉県 柏市) |
夜廻りのぼくのひょうし木よくひびく | 湯浅 太志 | (奈良県 香芝市) |
【中学生 -最優秀賞-】
どしゃ降りが信じられない大夕焼け | 広江 道行 | (岐阜県 岐阜市) |
【中学生 -優秀賞-】
ふろあがりよってたかって扇風機 | 奥井 拓也 | (京都府 福知山市) |
風鈴が風の行く先知っている | 荻田 真佑 | (三重県 伊勢市) |
そよ風になってしまった赤とんぼ | 近藤 百恵 | (岐阜県 岐阜市) |
秋暁や波は幾何学的に寄す | 山根 一恵 | (三重県 二見町) |
【高校生 -最優秀賞-】
更衣昨日と違う私あり | 山口 絵美 | (三重県 松阪市) |
【高校生 -優秀賞-】
サイダーの泡がはじけて十五才 | 小山 真希 | (兵庫県 三木市) |
伊勢湾の見える畑に麦を踏む | 保泉 のぞみ | (埼玉県 滑川町) |
コスモスの中の母校を描きけり | 甲斐 一雄 | (宮崎県 高千穂町) |
やくもたつ出雲の空は花曇 | 髙𣘺 利昌 | (静岡県 浜松市) |
海外特別賞
〔テーマ部門〕 | 下校児を道草させて木ノ実降る | 猪野 ミツエ | (ブラジル) |
〔雑詠部門〕 | アマゾンと言う天国に棲む裸 | 工藤 未敏 | (ブラジル) |
黛まどか賞
〔テーマ部門〕 | 前をゆく母の日傘が道標 | 板垣 恵美 | (秋田県 本荘市) |
三重県俳句協会賞
〔雑詠部門〕 | 国宝の塔に垂れゐし蛇の衣 | 西川 おむゐ | (三重県 津市) |
三重県観光連盟賞
〔テーマ部門〕 | 巡礼のひとり遅るる花野道 | 臼井 ちづ子 | (三重県 久居市) |
〔雑詠部門〕 | つきぬけて空の蒼さや鷹渡る | 津坂 侑右子 | (三重県 津市) |
熊野古道賞
〔テーマ部門〕 | かの人の背中をたどって月夜道 | 山﨑 智子 | (大阪府 大阪市) |
産土の道折々に秋つばめ | 高木 敏枝 | (大阪府 高槻市) | |
芒野に月への道のありにけり | 金子敦 | (神奈川県 藤沢市) | |
熊野へは脇道いくつ彼岸花 | 吉田さかえ | (三重県 大宮町) |
桑名市賞
〔テーマ部門〕 | この径の先に寺あり萩の咲く | 江口 克彦 | (大阪府 枚方市) |
〔雑詠部門〕 | 金魚売幼稚園にも入り来る | 伊藤 淳 | (三重県 御薗村) |
四日市市賞
〔テーマ部門〕 | 道問へば指さすあたり陽炎ひぬ | 冨田 孝子 | (香川県 引田町) |
〔雑詠部門〕 | 看護婦のかくし欠伸や花の雨 | 南川 彰 | (三重県 東員町) |
鈴鹿市賞
〔テーマ部門〕 | 観音へ南瓜の花の辻曲る | 鈴木 恵美子 | (愛知県 名古屋市) |
〔雑詠部門〕 | 祝辞みな大秋晴を讃へけり | 増田 湖秋 | (千葉県 我孫子市) |
亀山市賞
〔テーマ部門〕 | 影ひとつずつ持ち帰る蟻の道 | 藤原 満喜 | (大分県 日出町) |
〔雑詠部門〕 | 筍の石動かしてをりにけり | 清滝 千代子 | (三重県 久居市) |
津市賞
〔テーマ部門〕 | がやがやと来て探梅の道迷ふ | 川島 竜太郎 | (三重県 鈴鹿市) |
〔雑詠部門〕 | 鴛鴦の来る空の深さとなりにけり | 太田 孝 | (愛知県 知立市) |
久居市賞
〔テーマ部門〕 | 遠足の道食み出して花を摘む | 中村 理以知 | (滋賀県 八日市市) |
〔雑詠部門〕 | 仏彫る円座青田の風筋に | 浜地 和恵 | (三重県 伊賀町) |
松阪市賞
〔テーマ部門〕 | 綿虫や路地には路地の匂ひして | 竹村 良三 | (奈良県 奈良市) |
〔雑詠部門〕 | 紫陽花の毬の上ゆく日傘かな | 平山 ひさ | (愛知県 尾張旭市) |
伊勢市賞
〔テーマ部門〕 | 物音のみなこだまする寒の道 | 佃 靖子 | (京都府 八幡市) |
〔雑詠部門〕 | 神嘗の初穂は木遣唄に曳く | 倉田 隆峯 | (三重県 伊勢市) |
鳥羽市賞
〔テーマ部門〕 | 逢へるかも知れぬ小春の径ゆけば | 秋本 栄子 | (愛媛県 宇和島市) |
〔雑詠部門〕 | 髪洗ひ海女の一日の終りけり | 森井 章恵 | (三重県 上野市) |
上野市賞
〔テーマ部門〕 | 旧道に上町下町祭くる | 吉田 俊治 | (埼玉県 大宮市) |
〔雑詠部門〕 | 氷面鏡太陽白く青く燃ゆ | 中西 碧秋 | (三重県 鈴鹿市) |
名張市賞
〔テーマ部門〕 | 露の萩たわめて道をゆづりけり | 清水 あつ子 | (三重県 津市) |
〔雑詠部門〕 | 吹いて見せ吹かせて教え瓢の笛 | 北村 均 | (滋賀県 近江八幡市) |
尾鷲市賞
〔テーマ部門〕 | 蟻の道大夕立に消されたり | 松田 みち枝 | (大阪府 大阪市) |
〔雑詠部門〕 | 竹伐って星の大きくなりにけり | 駒田 弘子 | (三重県 芸濃町) |
熊野市賞
〔テーマ部門〕 | ![]() |
徳井 あつみ | (三重県 一志町) |
〔雑詠部門〕 | あけきらぬ遠流の島やほととぎす | 杉谷 貞子 | (三重県 芸濃町) |
長島町賞
〔テーマ部門〕 | たんぽぽの一本道を下校の子 | 杉山 碧風 | (愛知県 安城市) |
〔雑詠部門〕 | 鳥渡る運河水位をととのへて | 大枝 節子 | (山口県 徳山市) |
菰野町賞
〔テーマ部門〕 | 村に入る道は一本蝉時雨 | 宇野 亜冶子 | (京都府 綾部市) |
〔雑詠部門〕 | 頂上に人の湧き出る登山かな | 大和 敏男 | (長野県 諏訪市) |
楠町賞
〔テーマ部門〕 | 道端の噂話しに春一番 | 大西 佐知子 | (三重県 松阪市) |
〔雑詠部門〕 | 眠る子に落花散り込む乳母車 | 小林 辰子 | (三重県 四日市市) |
美杉村賞
〔テーマ部門〕 | 旧街道駅まで借りる時雨傘 | ![]() |
(神奈川県 横浜市) |
〔雑詠部門〕 | 山国の日は逃げやすく吊し柿 | 高田 久枝 | (岐阜県 大垣市) |
玉城町賞
〔テーマ部門〕 | おのづから道生れゆく花野かな | 関根 薫子 | (埼玉県 加須市) |
〔雑詠部門〕 | 麦焼きし火色の月の上りけり | 阿部 二郎 | (鳥取県 境港市) |
大宮町賞
〔テーマ部門〕 | 紫陽花や村人だけの抜ける道 | 坂谷 芳嘉 | (神奈川県 秦野市) |
〔雑詠部門〕 | 百頭の牛のかんばせ雪ごもり | 鈴木 沖帆 | (岩手県 水沢市) |
大王町賞
〔テーマ部門〕 | 枇杷たわわ漁村へ道の細りゆく | 坂井 清明 | (大分県 大分市) |
〔雑詠部門〕 | 大鮑何う獲りしかは海女言はず | 神田 しのぶ | (千葉県 館山市) |
伊賀町賞
〔テーマ部門〕 | ふる里の一本道の寒さかな | 山本 誠一 | (滋賀県 草津市) |
〔雑詠部門〕 | 朝々の霧じめりして伊賀の畦 | 鈴木 秋翆 | (三重県 亀山市) |
紀伊長島町賞
〔テーマ部門〕 | 道板でつなぐ良夜の船暮し | 永井 一朗 | (兵庫県川西市) |
〔雑詠部門〕 | 校長の似顔の案山子学校田 | 稲葉 禮野 | (和歌山県 和歌山市) |
紀宝町賞
〔テーマ部門〕 | 太箸や真向う山の道がみゆ | 木原 キヨ | (宮崎県 西都市) |
〔雑詠部門〕 | 秋耕やときに空ゆく風を聞き | 市川 玲子 | (三重県 四日市市) |
紀和町賞
〔テーマ部門〕 | コスモスの道果つるまで歩きけり | 工藤 光夫 | (福岡県 大牟田市) |
〔雑詠部門〕 | 瓜坊の迷子を飼えば雪来たる | 岡田 佳子 | (神奈川県 茅ヶ崎市) |
鵜殿村賞
〔テーマ部門〕 | 韮の花村に総出の道普請 | 斉藤 譲一 | (愛知県 名古屋市) |
〔雑詠部門〕 | 通草熟れ少年Aも老いにけり | ![]() |
(三重県 志摩町) |
PHP研究所賞
〔テーマ部門〕 | 蟻の道残し校庭大掃除 | 河本 坦 | (愛媛県 西条市) |
肩組みて道一杯に祭の子 | 川口 俊定 | (神奈川県 横浜市) | |
庖丁買ふ関の街道大夕立 | 伊賀 和子 | (静岡県 浜松市) | |
〔雑詠部門〕 | 遠き日の父母貧し麦こがし | 福田 信子 | (滋賀県 日野町) |
うとましくやがて親しき草虱 | 村部 たか子 | (三重県 亀山市) | |
牛の眼をはみ出している鰯雲 | 黒川 つる子 | (三重県 津市) |
NHK出版賞
〔テーマ部門〕 | 右よりも左涼しき道しるべ | 木村 秀雄 | (愛知県 一宮市) |
三四人踏めば枯野に道らしき | 依田 順子 | (山梨県 中富町) | |
一村のどこも坂道柿吊す | 西野 良子 | (大阪府 堺市) | |
〔雑詠部門〕 | 籾殻を夜通し焚きて猪を追ふ | 脇 貞憲 | (三重県 海山町) |
鳥渡る遙けき軍旅思いけり | 宮澤 翆人 | (静岡県 浜松市) | |
十三夜なり東塔も西塔も | 二宮 哲也 | (奈良県 奈良市) |
角川書店賞
〔テーマ部門〕 | 髪切りにゆく向日葵の道抜けて | 武田 以恵 | (埼玉県 浦和市) |
道過る時も蟷螂構へたる | 吉本 いたる | (兵庫県 明石市) | |
道すがらひょいと輪に入る盆踊り | 加藤 和子 | (愛知県 瀬戸市) | |
〔雑詠部門〕 | いまもなほ十戸の村や芋茎干す | 坂井 たづ子 | (福岡県 大牟田市) |
炭負うて渡りなれたる丸木橋 | 榎本 みや | (三重県 熊野市) | |
鶏頭や男もすなる括り髪 | 浅見 咲香衣 | (神奈川県 横浜市) |
月刊みえ賞
〔テーマ部門〕 | 右よりも左涼しき道しるべ | 木村 秀雄 | (愛知県 一宮市) |
三四人踏めば枯野に道らしき | 依田 順子 | (山梨県 中富町) | |
一村のどこも坂道柿吊す | 西野 良子 | (大阪府 堺市) | |
〔雑詠部門〕 | 籾殻を夜通し焚きて猪を追ふ | 脇 貞憲 | (三重県 海山町) |
鳥渡る遙けき軍旅思いけり | 宮澤 翆人 | (静岡県 浜松市) | |
十三夜なり東塔も西塔も | 二宮 哲也 | (奈良県 奈良市) |
学習研究社賞
〔テーマ部門〕 | この道は水神多し柿たわわ | 三村 多香文 | (東京都 練馬区) |
晩秋や一戸のために道つづく | 首藤 勝二 | (大分県 大分市) | |
蟇追うて誰にも会わぬ道なりき | 新井 堪子 | (愛知県 名古屋市) | |
〔雑詠部門〕 | 点さねば海より暗し冬の村 | 小田嶋 恭葉 | (秋田県 能代市) |
初雪の月山に雲近づけず | 川岸 金治郎 | (山形県 山形市) | |
そばに居ることが看取りや春障子 | 沼田 重吉 | (神奈川県 葉山町) |
女性セブン賞
〔テーマ部門〕 | 夕焼けを背なに集めて帰り道 | 大皿 真都美 | (熊本県 熊本市) |
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清水 美惠子 | (岐阜県 大垣市) | |
先を行く君の背中へ木の実投ぐ | 中山 恵里子 | (三重県 津市) | |
〔雑詠部門〕 | 浴衣の子浴衣の胸へ抱き上げる | 原田 英子 | (三重県 熊野市) |
泣きごとは言はぬ寒紅ひき直し | 細野 みさを | (神奈川県 湯河原町) | |
窓際の予約の席の冬薔薇 | 市村 洋子 | (神奈川県 横浜市) |
ビジオモノ賞
〔テーマ部門〕 | 旧道のいよいよ古りて葛の花 | 三島 睦子 | (岐阜県 白鳥町) |
道ひとつ隔てて村の祭りかな | 阪口 陽子 | (三重県 伊勢市) | |
子を産みに花野の道を帰り来る | 大江 かずこ | (神奈川県 相模原市) | |
〔雑詠部門〕 | 引っ張って見てはっきりと烏瓜 | 堀口 まゆみ | (福井県 今庄町) |
余生なほ余白にあらず冬の耕 | 竹内 呼雁 | (愛知県 半田市) | |
素通りをせずに焚火の輪に入る | 長谷川 道子 | (三重県 鈴鹿市) |
実業之日本社賞
〔テーマ部門〕 | 振袖の娘に径ゆずる初詣 | 加藤 正子 | (埼玉県 入間市) |
恋螢わかれ道にて沈みけり | 三好 外弥 | (福井県 武生市) | |
たんぽぽの径田の神へ続きをり | 柿内 芳子 | (宮崎県 綾町) | |
〔雑詠部門〕 | 初富士も見えて着物の伊勢詣り | 清水 高明 | (埼玉県 浦和市) |
双塔のはるかに昏るる刈田かな | ![]() |
(三重県 亀山市) | |
前の世のくらがりにゐて蚯蚓鳴く | 内藤 雅博 | (静岡県 掛川市) |
ぴあ賞
〔テーマ部門〕 | 駅からは一本道の帰省かな | 寺田 あい | (東京都 世田谷区) |
曼珠沙華咲いて行く道帰る道 | 森 瑞穂 | (岐阜県 神戸町) | |
夕顔の蔓生き生きと道奪う | 歳内 敏子 | (兵庫県 三田市) | |
〔雑詠部門〕 | 干し柿と共に干されし安乗木偶 | 林 香代子 | (三重県 鈴鹿市) |
竹馬の歩巾大きく来たりけり | 金城 桐実子 | (愛媛県 松山市) | |
壱圓の句集重たき子規忌かな | 美保 恵子 | (徳島県 鳴門市) |