『祭の一句』入賞作品集
「俳聖・松尾芭蕉」「俳祖・荒木田守武」のふるさととして「俳句のくにづくり」に取り組む三重県では、平成8年度の「海の一句」「旅の一句」、平成9年度の「花の一句」、平成10年度の「道の一句」に続く全国俳句募集事業第5弾「祭の一句」の募集を平成11年4月18日から11月19日まで行いました。
応募総数は205,295句。選者はテーマ1「祭」の部門に俳人黛まどか氏を、雑詠部門には三重県俳句協会をそれぞれお迎えし、最優秀賞(各部門1点)をはじめとする268句の入賞が決定しました。
テーマ部門「祭」
【最優秀賞】
先頭は海女なる潮かけ祭かな | 田島 もり | (三重県 阿児町) |
【優秀賞】
幟だけ立て田の神の祭りなり | 佐々木 一郎 | (福井県 鯖江市) |
祭り髪くづして潜る志摩の海 | 永井 一朗 | (兵庫県 川西市) |
飾られてしづかになりぬ祭馬 | 神崎 正道 | (岡山県 岡山市) |
テーマ部門「熊野古道・伊勢路」
【最優秀賞】
鳥わたる補陀落の空昏くして | 信垣 成正 | (大阪府 大阪市) |
【優秀賞】
卯浪立つ灘を遥かに千枚田 | 大西 稜峰 | (三重県 久居市) |
荒行の熊野奥駆け男郎花 | 遠井 俊二 | (宮崎県 宮崎市) |
伊勢湾へ開け放たれし夏座敷 | 清水 志郎 | (東京都 小平市) |
雑詠部門
【最優秀賞】
新蕎麦を打つ月山の風入れて | 鈴木 正子 | (山形県 山形市) |
【優秀賞】
菜を洗ふ流れのほかは昏れてをり | 安川 のぶ | (三重県 安濃町) |
雲の上の雲の夕映え雁渡る | 豊田 麻佐子 | (三重県 亀山市) |
声あらば耳近うせよ犬ふぐり | 林 菊代 | (京都府 宇治市) |
テーマ部門「祭」
【奨励賞】
《幼児》最優秀
はなしでもまつりのおにはこわいんだ | ![]() |
(三重県 津市) |
《幼児》優秀
たんぼからいなごがみてるあきまつり | 星 悠夏 | (福島県 会津本郷町) |
おまつりがおわってほしがよくみえる | 中西 美峰 | (神奈川県 横浜市) |
みにきてねたいこえんそうがんばるよ | 木崎 未彩 | (三重県 鈴鹿市) |
《小学生》最優秀
じいちゃんのまつりのたいこきこえてる | 伊藤 彩 | (三重県 御薗村) |
《小学生》優秀
おどるまちよぞらにあがるはなびかな | 田岡 紋奈 | (三重県 小俣町) |
とうさんのバチ音ひびくまつりの日 | いわや あやか | (北海道広尾町) |
秋まつりししまいてんぐきそいあう | 西岡 のぞみ | (三重県 名張市) |
あきまつり500えんだまひかってる | 石田 典士 | (長崎県 佐世保市) |
うちわ持ちさあでかけるぞ夏まつり | 大嶋 誉也 | (三重県 伊賀町) |
《中学生》最優秀
鯨舟はやる心で山車を引く | 伊藤 優里 | (三重県 四日市市) |
《中学生》優秀
稚児行列僕の乗る馬洗ひけり | 寺門 一学 | (茨城県 ひたちなか市) |
夏祭りげたのはなをのいたさかな | 垣内 真奈美 | (三重県 紀伊長島町) |
ちょうちんの明かりともして祭りくる | 福田 みづき | (三重県 上野市) |
夏祭り背が伸びたねと父笑う | 東山 沙織 | (三重県 美里村) |
《高学生》最優秀
足音の少し寂しき秋祭 | 津田 亜希子 | (岡山県 岡山市) |
《高学生》優秀
花火より君の横顔まぶしくて | 浜口 有紀 | (三重県 津市) |
夏祭りちょっと大人で歩いてる | 北岡 絵里奈 | (三重県 久居市) |
おみこしをかついで光る男の汗 | 松岡 ちひろ | (三重県 四日市市) |
下弦の月祭のあとの残りもの | 木綿 琴音 | (三重県 玉城町) |
黛まどか賞
汲み置きし水に夜がくる祭笛 | 沼田 重吉 | (神奈川県 葉山町) |
花影に紅さし合って祭の子 | 藤野 陽子 | (高知県 高知市) |
東海郵政局長賞(手紙)
眦の紅きりきりと祭髪 | 平塚 すヽむ | (茨城県 土浦市) |
マルチメディア賞(FAX・インターネット)
秋祭り厚底靴の高校生 | 佐藤 友紀子 | (愛知県 岡崎市) |
三重県観光連盟賞
山一つ越ゆれば海も祭かな | 福田 澄子 | (福井県 越廼村) |
【協賛市町村賞】
津市賞 | トラックに溢れんばかり祭の子 | 藤田 英子 | (大阪府 大阪市) |
四日市市賞 | 狐面うなづきあへる祭かな | 冨田 康成 | (三重県 鈴鹿市) |
伊勢市賞 | 祭児や白粉つけしまま眠むる | 渡辺 淑子 | (三重県 四日市市) |
松阪市 | 打ち手なき太鼓も据えて村祭 | 和田 菊 | (三重県 名張市) |
桑名市賞 | 金魚売り並びて祭りの幕あけり | 三浦 美代子 | (愛知県 豊田市) |
上野市賞 | 幔幕は旧町名の秋祭 | 稲穂 節子 | (三重県 鈴鹿市) |
鈴鹿市賞 | 獅子頭身をくねらせて祝儀待ち | 笹原 和雄 | (静岡県 伊東市) |
名張市賞 | 祭の夜そっと打ち明けられてをり | 山田 経子 | (香川県 高松市) |
尾鷲市賞 | 水神輿もんで漢の匂い立つ | 竹本 チエ子 | (山口県 光市) |
亀山市賞 | お囃子へ風の分け入る冬祭り | 松﨑 和江 | (三重県 伊勢市) |
鳥羽市賞 | 鳥羽まつり停泊中の英国船 | 中島 志朝光 | (愛知県 豊橋市) |
熊野市賞 | 七夕の祭り笹竹日除傘 | 伊藤 保壽 | (神奈川県 横浜市) |
久居市賞 | 遠くまで音が流れる盆踊り | 平田 梨恵 | (三重県 青山町) |
長島町賞 | 対岸は一日遅れの秋祭 | 峰尾 葉月 | (東京都 八王子市) |
木曾岬町賞 | 望郷に少年の日の祭あり | 永山 篁 | (福岡県 北九州市) |
大安町賞 | 秋祭初めの一打神に打つ | 浜岡 愛子 | (大阪市大阪市) |
藤原町賞 | 祭太鼓女が打ちて男の音 | 菊川 繁雄 | (東京都 台東区) |
関町賞 | ちょっと見に来しが祭の渦の中 | 近藤 久美子 | (埼玉県 大宮市) |
白山町賞 | いま確か吹き手代りし祭笛 | 徳井 あつみ | (三重県 一志町) |
嬉野町賞 | 鶏頭の路地を祭りの通りゆく | 岩井 有一 | (岐阜県 八百津町) |
美杉村賞 | 手づくりの横笛揃ふ村祭 | 伊次 照代 | (兵庫県 姫路市) |
三雲町賞 | クレヨンの放りだされて祭笛 | 清家 明日香 | (兵庫県 温泉町) |
飯南町賞 | 好きな人いるかと祭りの人の中 | 大川 英子 | (愛知県 岡崎市) |
飯高町賞 | 山一つ越えて祭の太鼓聞く | 落合 さとゑ | (三重県 芸濃町) |
明和町賞 | 祭終え露店小さくたたみゆく | ![]() |
(三重県 熊野市) |
勢和村賞 | 祭笛吹く口紅を淡くひく | 梶井 十九詩 | (奈良県 吉野町) |
宮川村賞 | 一爆が上がり祭の始ま・黷・/STRONG> | 藤原 時男 | (山梨県 甲府市) |
玉城町賞 | 農継ぐ児継がぬ 児御こしの綱を引く | 細見 丹葉 | (三重県 名張市) |
大宮町賞 | 祭笛近づきて紅ぬ りなほす | 別所 ゆかり | (三重県 河芸町) |
紀勢町賞 | 身をそらしては炎昼の太鼓打つ | 近藤 忠良 | (大分県 大分市) |
大内山村賞 | 秋祭まっただ中の見合かな | 中村 勲 | (群馬県 前橋市) |
伊賀町賞 | 実むらさき伊賀に古代の祭祀址 | 馬岡 節子 | (三重県 大山田村) |
島ヶ原村賞 | 臍の緒を切りたる村の秋祭 | 竹内 茂翁 | (三重県 伊勢市) |
阿山町賞 | 逢引に間のありすぎて踊りけり | 山崎 観音子 | (福島県 いわき市) |
大山田村賞 | 祭酒宮の木売るの売らぬ のと | 磯野 志江 | (山梨県 下部町) |
青山町賞 | 二の鳥居までは石段村祭り | 加藤 あさの | (愛知県 一色町) |
浜島町賞 | 明日もぐる海女の一卜日の祭神 | 大和 幸雄 | (埼玉県 川口市) |
大王町賞 | 海女の村祭太鼓は海へ打つ | 舘 まもる | (三重県 志摩町) |
阿児町賞 | 木偶っ子の手取り足とる秋祭 | 荒木 暁子 | (三重県 伊勢市) |
磯部町賞 | 桶に水溜めて神輿を待ちゐたる | 和氣 康之 | (栃木県 塩谷町) |
紀伊長島町賞 | 面売が面に祭の灯をともす | 杉 原仁 | (福岡県 北九州市) |
海山町賞 | 国なまり混じりし祝詞里祭 | 成清 博文 | (大分県 野津町) |
御浜町賞 | 炎帝に大きく舞ひて獅子頭 | 松下 美奈子 | (熊本県 本渡市) |
紀宝町賞 | まれびとの海より来たる夏祭り | 髙橋 広美 | (東京都 葛飾区) |
紀和町賞 | ふるさとに帰る理由の夏祭り | 西尾 佳子 | (三重県 伊勢市) |
鵜殿村賞 | 夏まつり屋台の裏は海の闇 | 上岸 清 | (富山県 魚津市) |
【協賛企業賞】
学習研究社賞 | 出稼ぎの土産は母へ祭下駄 | 近藤 幸枝 | (徳島県 徳島市) |
学習研究社賞 | 湖ひとつ隔たる村の祭笛 | 星野 平一 | (群馬県 境町) |
学習研究社賞 | 身体ごと訛る津軽の祭り唄 | 新井 麦童 | (埼玉県 川口市) |
女性セブン賞 | 日向から肥後へ借りゆく祭馬 | 伊藤 啓子 | (宮崎県 高千穂町) |
女性セブン賞 | 祭すみ五戸十人の村となる | 歳内 敏子 | (兵庫県 三田市) |
女性セブン賞 | 祭髪君なら触れて欲しかりし | 上條 亜紀子 | (東京都 三鷹市) |
角川書店賞 | 奥祖谷の秋の祭りは雲の中 | 大西 悦一 | (愛媛県 新居浜市) |
角川書店賞 | じじばばの面 つけ馳ける秋祭 | 原田 悦子 | (大阪府 東大阪市) |
角川書店賞 | 泉州路祭つづきの秋となり | 酒井 敬一郎 | (大阪府 和泉市) |
「俳句現代」賞 | 宵宮に腰を据えたり祭酒 | 阪本 和正 | (岡山県 備前市) |
「俳句現代」賞 | 山鉾を空に突き立て夏祭 | 松田 弘子 | (福岡県 赤村) |
「俳句現代」賞 | 祭化粧残る先生「起立・礼」 | 三輪 閑蛙 | (茨城県 石岡市) |
かまくら春秋賞 | 春祭待たずに父は出稼ぎに | 篠木 茂郎 | (埼玉県 熊谷市) |
かまくら春秋賞 | みずうみに沿う村つなぐ祭笛 | 塩見 俊一 | (北海道 札幌市) |
かまくら春秋賞 | 駅伝の走り抜けたる春祭 | 石田 愛志 | (岐阜県 各務原市) |
「俳句界」賞 | 上流に那智の滝あり春祭 | ![]() |
(東京都 墨田区) |
「俳句界」賞 | 神輿見え携帯電話知らせおり | 田島 星景子 | (宮城県 築館町) |
「俳句界」賞 | 声湧きて夜祭に町動く | 宮浦 のぶあき | (富山県 砺波市) |
PHP研究所賞 | 磯祭海女が手だれの手こねずし | 亀山 温子 | (愛知県 名古屋市) |
PHP研究所賞 | 星祭り星降る里は遠くなり | 中澤 早苗 | (青森県 六戸町) |
PHP研究所賞 | 僧読経法螺貝吹いて神輿練る | 福田 尚義 | (大分県 耶馬渓町) |
テーマ部門「熊野古道・伊勢路」
【奨励賞】
《小学生》最優秀
熊野古道天より落ちる滝しぶき | 山本 駿 | (京都府 城陽市) |
《小学生》優秀
くまの道いせの道にも赤とんぼ | 伊藤 隆 | (三重県 御薗村) |
秋風にふかれふかれてくまの道 | 山路 智也 | (三重県 久居市) |
鰯雲つづらと峠登りきる | 服部 紗依 | (三重県 紀伊長島町) |
熊野古道歩くと紅葉まいおちる | 野村 有李 | (三重県 鳥羽市) |
《中学生》最優秀
落ち葉散るいにしえ人の通り道 | 大和 亜矢子 | (三重県 紀和町) |
《中学生》優秀
うぐいすの声美しい山の中 | 伊藤 加織 | (三重県 一志町) |
差す光若葉にすけて石畳 | 喜多 裕史 | (三重県 紀和町) |
熊野古道春の命が動き出す | 栗谷 有香 | (三重県 松阪市) |
友と行く熊野古道のせみしぐれ | 檜作 佳代 | (三重県 御浜町) |
《高学生》最優秀
蜩の声がこだます熊野道 | 中野 希美 | (三重県 紀伊長島町) |
《高学生》優秀
秋風に吹かれて騒ぐ古道の木 | 小山 麻子 | (三重県 熊野市) |
枯葉散る熊野古道を歩くなり | 川端 豊和 | (三重県 尾鷲市) |
天狗倉山熊野古道へつづく秋 | 津田 亜子 | (三重県 尾鷲市) |
汗をふきいにしえ人を想う道 | 尾﨑 早由美![]() |
(三重県 久居市) |
海外特別賞
怨霊の民話もありて河鹿鳴く | MITSUE INO | (ブラジル) |
三重県俳句協会賞
菜の花や伊勢も熊野も雨の中 | 佐藤 英雄 | (三重県 伊勢市) |
東海郵政局長賞
千枚の田毎の月に早苗浮く | 小林 香代 | (三重県 津市) |
マルチメディア賞(FAX・インターネット)
朝霧の棚田一枚づつ霽るる | 有元 洋剛 | (愛知県 東郷町) |
三重県観光連盟賞
海に向く獅子岩かつと大旦 | 寺嶋 定子 | (岐阜県 柳津町) |
【協賛市町村賞】
津市賞 | 四方より風来る峠花いばら | 中村 敏孝 | (三重県 津市) |
四日市市賞 | 巡礼碑残る古道物芽出づ | 平山 滋子 | (三重県 尾鷲市) |
伊勢市賞 | 夜桜に神の来ている伊勢熊野 | 吉田 さかえ | (三重県 大宮町) |
松阪市賞 | み熊野の修羅に落せし春の舟 | 黒木 胖 | (東京都 墨田区) |
桑名市賞 | 千枚の植田に月を一つずつ | 川端 久夫 | (三重県 海山町) |
上野市賞 | 夏燕町屋の格子拭き痩せし | 泓川 秀利 | (兵庫県 神戸市) |
鈴鹿市賞 | 波の秀をかすめる千鳥夕焚火 | 根来 晶子 | (三重県 明和町) |
名張市賞 | 石畳石のすきまの蟻の道 | 安保 雅司 | (三重県 津市) |
尾鷲市賞 | 熊野路の低き家並に燕飛ぶ | 大山 清一郎 | (三重県 桑名市) |
亀山市賞 | 滴りの巌に風化の磨崖佛 | 岡田 貞二 | (神奈川県 茅ヶ崎市) |
鳥羽市賞 | 草いきれ九鬼水軍の狼煙台 | 堀木 すすむ | (三重県 四日市市) |
熊野市賞 | 蛍火のともす道祖神や伊勢古道 | 木戸口 眞澄 | (三重県 明和町) |
久居市賞 | 春祭地べたで売らる首飾 | 塩月 弘子 | (埼玉県 桶川市) |
長島町賞 | 土用波浜街道に打ち返す | 家田 博昭 | (三重県 津市) |
木曾岬町賞 | 犬ふぐり崎に怒涛の鳴りやまず | 森 荘之助 | (神奈川県 相模原市) |
大安町賞 | 山越えのこと問はれをり衣被 | 則竹 鉄男 | (愛知県 名古屋市) |
藤原町賞 | 秋晴れの村には小さき山の神 | 大原 チヅ子 | (三重県 小俣町) |
関町賞 | 大根はざ砦なしたる伊勢に入る | 新美 欽哉 | (愛知県 知立市) |
白山町賞 | 杖ひいて祭日和をほめにけり | 中北 正次郎 | (和歌山県 和歌山市) |
嬉野町賞 | おほらかに啼く鶯や熊野晴 | 山家 栗太 | (三重県 阿児町) |
美杉村賞 | 田の中に大岩残る田植かな | 浜戸 鴻子 | (三重県 熊野市) |
三雲町賞 | 獅子の岩吠えて熊野の天高し | 小宮 昌子 | (三重県 安濃町) |
飯南町賞 | 笹百合やいまも釣瓶井汲む古道 | 大岩 市枝 | (岐阜県 笠原町) |
飯高町賞 | 餅撒いて村の六戸の秋祭 | 北田 美智代 | (三重県 伊賀町) |
明和町賞 | 山門に嵌むる熊野の冬の波 | 濱島 昭子 | (岐阜県 中津川市) |
勢和村賞 | 先達の靴音に蹤く霧のみち | 松生 朋子 | (三重県 上野市) |
宮川村賞 | 熊野路は茶屋の土間まで木の実降る | 金児 三樹 | (東京都 文京区) |
玉城町賞 | まほろばのこれより伊勢路野菊 | 佐藤 渓洞 | (福岡県 宗像市) |
大宮町賞 | 岩清水汲むみ熊野のしづけさに | 横山 茂子 | (三重県 四日市市) |
紀勢町賞 | 集落を繋ぐ古道や河鹿鳴く | 野呂 友満 | (三重県 紀伊長島町) |
大内山村賞 | 石だたみ石のはさまにすみれ咲く | 石倉 綾子 | (三重県 松阪市) |
伊賀町賞 | 根の国や秋刀魚と猪を一と竿に | 福山 良子 | (三重県 大山田村) |
島ヶ原村賞 | 上皇の落葉踏む音かも知れぬ | 木俣 はるみ | (東京都 大田区) |
阿山町賞 | 杣人の斧が断割る青嶺かな | 白鳥 寛山 | (長野県 長野市) |
大山田村賞 | 天辺に田を植ゑてをり千枚田 | 大平 きよ | (三重県 芸濃町) |
青山町賞 | 山中の日筋を飛んで小鳥来る | 橋本 理恵 | (三重県 伊賀町) |
浜島町賞 | 鴉来て熊野路の枯至りけり | 松林 慧 | (山口県 柳井市) |
大王町賞 | 燈台も祭提灯吊るしあり | 脇 貞憲 | (三重県 海山町) |
阿児町賞 | 風待ちの浦の船唄鰯雲 | 杉本 ただを | (三重県 津市) |
磯部町賞 | 断崖の下は大灘蝉しぐれ | 田邊 清可 | (三重県 久居市) |
紀伊長島町賞 | 太郎坂次郎坂行く残暑かな | 下平 しづ子 | (三重県 四日市市) |
海山町賞 | 熊野古道杉の高さに炎暑くる | 田中 佐和子 | (三重県 四日市市) |
御浜町賞 | 滝音の近き遠きや峠越え | 澤井 とき子 | (三重県 伊賀町) |
紀宝町賞 | 稲架組むや熊野古道へ影落とし | 田守 としを | (和歌山県 印南町) |
紀和町賞 | 下り立てば紀伊の山々霞みける | 油田美穂 | (三重県 津市) |
鵜殿村賞 | 日本一小さき村の豊の秋 | 鈴木 由郎 | (三重県 津市) |
【協賛企業賞】
学習研究社賞 | 青熊野一縷の古道垂らしけり | 有永 景雲 | (埼玉県 朝霞市) |
女性セブン賞 | 石畳駆け降りてゆく夏帽子 | 奥田 久子 | (三重県 一志町) |
角川書店賞 | 奥熊野一夜の雨に滝かかる | 林 保子 | (三重県 鈴鹿市) |
「俳句現代」賞 | 山に雲飛び風光る千枚田 | 山根 暁風 | (鳥取県 鳥取市) |
かまくら春秋賞 | 旅果ての熊野三山夕おぼろ | 杉谷 貞子 | (三重県 芸濃町) |
「俳句界」賞 | 一山を巡る猪垣古道ゆく | 熊野 千鶴子 | (広島県 府中町) |
PHP研究所賞 | 五株の苗植ゑ熊野千枚田 | 浜地 和恵 | (三重県 伊賀町) |
雑詠部門
【奨励賞】
《幼児》最優秀
かわがにさんかわへかえっていきなさい | みずたに みほ | (三重県 伊賀町) |
《幼児》優秀
おままごとよもぎのはっぱいしでつく | 花尻 理紗 | (三重県 熊野市) |
赤とんぼどんどんくらくなってくる | 人見 龍佑 | (栃木県 真岡市) |
とうがらしほしたむしろもからいかなァ | 白﨑 奨 | (三重県 四日市市) |
《小学生》最優秀
夕やけにさかだちしながらさけぶんだ | 森本 恭寿 | (三重県 津市) |
《小学生》優秀
しゃぼんだまなかにはいってとびたいな | 古尾 篤史 | (三重県 四日市市) |
やきいもを左手右手かえてもつ | 後藤 寛裕 | (岐阜県 関市) |
あまの川ふねでいけるかゆめの川 | 伊藤 淳司 | (三重県 伊勢市) |
運動会風まっぷたつにして走る | 阪口 健太 | (富山県 高岡市) |
《中学生》最優秀
方程式解いてさっぱり汗流す | 縣 和彦 | (長野県 長野市) |
《中学生》優秀
コンパスで円を描けば冬が来る | 江原 香織 | (埼玉県 東秩父村) |
崩れても崩れてもなお雲の峰 | 井上 一大 | (東京都 渋谷区) |
きゅうりのようにまがって私は反抗期 | 石川 睦子 | (愛知県 安城市) |
しゃだんきの向こうのセーター冬の色 | 辻 善隆 | (三重県 東員町) |
《高学生》最優秀
バス降りて教室までの時雨かな | 北川 絢子 | (三重県 松阪市) |
《高学生》優秀
いくたびもまぶた閉じけり除夜の鐘 | 今村 裕美 | (三重県 四日市市) |
聞こえてる受話器向こうの花火音 | 小野 孝 | (愛知県 幸田町) |
流れつつ色かえていくしゃぼん玉 | 藤田 大介 | (三重県 白山町) |
稲の穂の香りが揺れる通学路 | 藤林 雄大 | (奈良県 月ヶ瀬村) |
海外特別賞
ブラジルに根付き大和の柿熟れる | 工藤 未敏 | (ブラジル) |
三重県俳句協会賞
三日はや汚してしまふ牛日誌 | 井口 寿美子 | (北海道天塩町) |
東海郵政局長賞(手紙)
年賀状来たれり海老の番屋にも | 南 ひさし | (三重県 津市) |
マルチメディア賞(FAX・インターネット)
旅鞄より真っ新な夏帽子 | 藤林 正則 | (北海道稚内市) |
三重県観光連盟賞
石投げて凍滝石の音返す | 長井 ゆきを | (三重県 津市) |
【協賛市町村賞】
津市賞 | つばめ来て修理始まる浜の宿 | 金剛 松代 | (三重県 伊勢市) |
四日市市賞 | 硝子屋が来て秋天を嵌めてゆく | 今津 廸子 | (愛知県 東海市) |
伊勢市賞 | 新米を送ると告げし留守電話 | 葛西 時子 | (三重県 津市) |
松阪市賞 | 脇門も太き閂百日紅 | 植田 有冠子 | (三重県 津市) |
桑名市賞 | 座布団の数が定員舟料理 | 浅野 友子 | (宮城県 湧谷町) |
上野市賞 | 川の名のいくたび変る下り鮎 | 堀 いさを | (三重県 上野市) |
鈴鹿市賞 | 手渡しにもらふ夕刊麦の秋 | 上田 佳久子 | (三重県 亀山市) |
名張市賞 | 水筒に汲む滝水もとどろきも | 伊藤 淳 | (三重県 御薗村) |
尾鷲市賞 | 大台のひと雨ごとに鮎錆ぶる | 倉田 隆峯 | (三重県 伊勢市) |
亀山市賞 | 降るほどに地に吸はれゆく春の雪 | 高士 稔子 | (三重県 安濃町) |
鳥羽市賞 | 立冬や沖見る海女の束ね髪 | 冨田 志津子 | (三重県 一志町) |
熊野市賞 | 地球儀の大海原に蝿生る | 坂本 美代子 | (ブラジル サンパウロ) |
久居市賞 | よき風の峠に来たり赤のまま | 荒井 智之 | (神奈川県 川崎市) |
長島町賞 | 秋蝶の草に触れむと吹かれけり | 橋本 眞佐子 | (三重県 大山田村) |
木曾岬町賞 | 水替えて目玉大きな金魚かな | 神田 ゆたか | (埼玉県 吉見町) |
大安町賞 | 代田掻き水方形に落ちつきぬ | 中村 春草 | (愛知県 刈谷市) |
藤原町賞 | 冬耕の鍬に伊吹の風硬し | 坂野 國比古 | (愛知県 一宮市) |
関町賞 | 立秋や石工の飛ばず石光る | 服部 花影 | (三重県 海山町) |
白山町賞 | 田仕舞ひの火を一斉に放ちけり | 阿部 千鶴 | (三重県 四日市市) |
嬉野町賞 | 稲架高き農学校の実習田 | 牧田 春雄 | (静岡県 静岡市) |
美杉村賞 | 花芒終もまた無人駅 | 日比野 友子 | (岐阜県 大垣市) |
三雲町賞 | をみなへし旅は裏木戸より帰る | 久保 ノブ | (福岡県 方城町) |
飯南町賞 | 代掻いてどんぶり飯をくらいけり | 駒田 弘子 | (三重県 芸濃町) |
飯高町賞 | 吊橋の定員五人紅葉谿 | 島谷 秋子 | (大阪府 大阪市) |
明和町賞 | 斎宮に古代紫菖蒲咲く | 植田 元恵 | (三重県 津市) |
勢和村賞 | 涙目のまゝ眠りし子ゆすらうめ | 末松 あい | (三重県 鈴鹿市) |
宮川村賞 | 蛍籠雨のあがりし縁に置く | 加藤 博 | (愛知県 稲沢市) |
玉城町賞 | 秋耕の顔を上げれば暮れてをり | 篠宮 徳女 | (静岡県 焼津市) |
大宮町賞 | 植えられて神の椿となりにけり | 浦嶌 和美 | (愛知県 春日井市) |
紀勢町賞 | 驟雨過ぎかなかな谿に響き合ふ | 津坂 侑右子 | (三重県 津市) |
大内山村賞 | またもとの道へ戻れり芒原 | 吉原 泰子 | (三重県 松阪市) |
伊賀町賞 | 老杉の裏より神を送りけり | 堤 貞子 | (三重県 亀山市) |
島ヶ原村賞 | わが影のかさなる草を刈にけり | 小林 良治 | (岐阜県 多治見市) |
阿山町賞 | 家裏に見える猪垣伊賀の奥 | 冨山 文夫 | (三重県 伊賀町) |
大山田村賞 | 芋太る子をひて来よ山の猿 | 井上 正 | (福井県 小浜市) |
青山町賞 | 二時すでに山の影おく冬菜畑 | 鈴木 源之助 | (三重県 桑名市) |
浜島町賞 | 初雁や海に突き出る露天風呂 | 山本 幸子 | (静岡県 富士市) |
大王町賞 | 囀や石工は石に憩ひけり | 田辺 三郎 | (岐阜県 大垣市) |
阿児町賞 | 散りて尚しんじつ白き椿かな | 煙石 博 | (広島県 広島市) |
磯部町賞 | 年の夜の炎へ丸太放り込む | 木下 善信 | (茨城県 岩瀬町) |
紀伊長島町賞 | 鰤船の舟炉は樫の他焚かず | 西村 昭八 | (愛知県 長久手町) |
海山町賞 | 遠泳の水に躓くほど疲れ | 大海 白涛 | (新潟県 川西町) |
御浜町賞 | 花蜜柑島のみずみずまで匂ふ | 中田 英子 | (三重県 鈴鹿市) |
紀宝町賞 | 荒もせで二百十日の農じまひ | 上田 百合子 | (三重県 亀山市) |
紀和町賞 | 谷底へずり落ちさうな田を植うる | 西村 義久 | (愛知県 碧南市) |
鵜殿村賞 | 掛軸の余白大きく夏座敷 | 成岡 明子 | (神奈川県 茅ヶ崎市) |
【協賛企業賞】
学習研究社賞 | 田を植えて佐渡は端まで水光る | 寺井 満穂 | (大阪府 河内長野市) |
学習研究社賞 | 寒雷の一つきりなり父の背 | 小林 チカ子 | (三重県 津市) |
学習研究社賞 | 古書店の引戸を濡らす初時雨 | 谷崎 みち | (三重県 菰野町) |
女性セブン賞 | 老ゆといふこと美しき十三夜 | 朱雀井 ふさ子 | (三重県 菰野町) |
女性セブン賞 | 手鏡を伏せたるあとの秋思かな | 森口 千恵子 | (三重県 亀山市) |
女性セブン賞 | 小熊手も大きな手締貰ひけり | 藤田 とも子 | (神奈川県 秦野市) |
角川書店賞 | 御岳にまず一礼し鍬始 | 稲垣 徹弘 | (愛知県 名古屋市) |
角川書店賞 | 紅葉宿暮れて潺湲おのづから | 南川 つるゑ | (三重県 菰野町) |
角川書店賞 | 二月堂三月堂と時雨けり | 渡辺 美智子 | (大阪府 東大阪市) |
「俳句現代」賞 | しぐれきて牛馬童子と傘一つ | 中谷 昭雄 | (大阪府 岸和田市) |
「俳句現代」賞 | どこからも見えて那智滝冬に入る | 増田 清 | (静岡県 榛原町) |
「俳句現代」賞 | 花人となり鈴の屋の通 し庭 | 稲垣 貞治 | (三重県 久居市) |
かまくら春秋賞 | 深吉野へまた深熊野へ猪を追ふ | 榎本 好子 | (和歌山県 南部町) |
かまくら春秋賞 | 迎火の方三尺の明りかな | 木 俊夫 | (大阪府 堺市) |
かまくら春秋賞 | 隠国の滝や一山軸となし | 野口 清美 | (静岡県 伊東市) |
「俳句界」賞 | 蘆負女夕日引きずりゆきにけり | 村山 三千代 | (三重県 亀山市) |
「俳句界」賞 | 水底に一村ありし葛の花 | 高市 宏 | (福島県 郡山市) |
「俳句界」賞 | 虫供養火の番といふ裏方も | 松永 桂子 | (三重県 海山町) |
PHP研究所賞 | 鳥渡る鋼索勁く橋を吊り | 内藤 英子 | (広島県 広島市) |
PHP研究所賞 | 土蔵へは飛石伝ひ春時雨 | 梅木 兜士彌 | (大分県 別府市) |
PHP研究所賞 | 自然薯を掘りたる跡の穴探し | 井上 峰花 | (島根県 松江市) |