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みえの文化団体詳細

地域 中勢地域
団体名 オカリナ演奏「スイートピー」

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オカリナ指導の山田先生とスイートピーの皆様

プロフィール  オカリナ演奏サークル「スイートピー」は、現在、会員9名、山田範子先生の指導の下、結成から丸9年を経過し、10年目に突入しました。

 当初は初心者ばかりの集まりで、音符すら読めない方もおられたそうです。それが、毎月2回の山田先生の指導を受け、毎回課題を持ち帰って自宅で練習した結果、全員が人前で演奏しても恥ずかしくないレベルにまでなりました。

 現在では、介護施設、高齢者向けサロン、幼稚園など、様々な場所でボランティア演奏会を開催しています。

 今や、「スイートピー」は、山田先生を師として、技術を吸収してさらなるレベルアップを図りながら、自ら音楽ボランティアを企画運営する演奏グループになりました。
記事  オカリナという楽器は素焼きの陶器です。様々な色が付けられていますが、それは焼いた後に塗っているだけで、釉薬などを塗って焼くわけではありません。そのため、その音色はとても自然で優しいものになります。

 山田先生から、「山の中で吹いたときには、鳥や虫が寄ってきて合奏がはじまったり、ウグイスが一緒に鳴き出したりするんですよ」と教えていただきました。絵本の世界のようです。なんてメルヘンな楽器なのでしょうか。



 楽器の構造としても、とてもシンプルな作りです。単音の音階しか出せません。ピアノなどの鍵盤楽器のように和音を出したり、同じく吹く楽器でもハーモニカのように複数の音階が同時に混じった音を出したりすることはできないのです。

 その点では、人の歌声に近いものがあります。モンゴルの伝統的な歌唱法「ホーミー」では高音と低音を同時に発声しますが、そのような例外を除けば、人の歌声も一つの音階を奏でます。そのことから、オカリナはヴォーカルに相当する演奏をします。

 オカリナ演奏に特化したサークルである「スイートピー」では、歌と同じく、カラオケ伴奏をバックに流しながら演奏しています。大きさの違うオカリナを使い分け、高音部と低音部に分かれて合奏するので、その点も合唱とよく似ています。



 これもオカリナのシンプルな作りの結果ですが、オカリナは指の押さえ方だけでは音階が決まりにくく、息圧によっても音の高低が異なり、高・低音域になると、半オクターブから1オクターブも差が出てしまうこともあります。つまり、同じ楽譜を演奏するためには、ピッチ(高さ)を揃えることが、アンサンブル(合奏)をする上でポイントになるということです。

 シンプルで、始める上では入り口がとても広い楽器ですが、その実、続ければ続けるほど、とても奥深い世界が待っている楽器でもあります。

 「その分やりがいがあり、皆で気持ちを一つにして音楽に向き合いながら、達成感・充足感が得られるよう、皆さんは楽しく練習に取り組んでいます」と、山田先生はおっしゃっていました。



 実際、練習を見学していると、最初のうちは、素人でもわかるくらい音がバラバラです。一人ひとりの力は十分に見えるのですが、全く合わないのです。途中で諦めて演奏を止める人もいます。

 それが、同じ曲をもう一度演奏する段階で、もうピッタリ合ってきています。カラオケを流して、伴奏に合わせることができるようになると、さらに美しくシンクロしていきます。

 先生の指導を離れて、自分たちだけで人前で演奏する段階の曲になると、素人には何の粗も感じられない完成した状態になります。その段階では、先生の指導は、演奏の技術ではなく、視線の送り方や、オカリナを持ち上げるタイミングなど、舞台技術の領域に入っていました。

 「スイートピー」の皆さんは、自分たちで演出を工夫し、お揃いの衣装を身につけ、どのようにステージを作るか考えるそうです。そんな皆さんのことを、山田先生は、一人前の演奏者として扱っているように見えました。技術的なアドバイスはしますが、決して叱責やキツイ言葉での指導などはしません。



 人前で演奏することの意義として、会の皆様から、複数のお考えを話していただきました。

 ある方は、「高齢者や幼い子どもたちのために演奏したい」とおっしゃっていました。奉仕活動としてのボランティアには、当然ある考え方でしょう。

 それに対して、別の方は、「演奏を聴いてもらえることで、モチベーションを上げて、腕を上げようと思えるきっかけになる。反応があることが大事で、ボランティアは自分のためにやっている」とおっしゃっていました。これも、ボランティアというものの本質だと思われます。

 人によって性格が違うように、ボランティアというものへの捉え方も一つではありません。それぞれの個性を持った人たちが奏でるそれぞれの音色が、ぴったりと息を合わせて演奏されることは、本当にすごいことだと思います。

 皆に共通しているのは、「オカリナの演奏を聴いてもらい、少しでも笑顔が増え喜んでもらえれば嬉しい」という想いです。その想いで、日々活動しています。



 お声がかかれば、近隣なら県外にも出かけます。定期的にどこかで磨いた腕を披露されているのです。

 本当に美しい演奏なので、これを読んでいただいた方にも、どこかで「スイートピー」のオカリナの優しい音色をお聴きいただきたけたらと思います。
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オカリナ指導風景
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演奏会当日を想定したリハーサル
問い合わせ先 059-226-2255(留守番電話)
e-mail  
ホームページ  
取材機関 三重県 環境生活部 文化振興課
津市広明町13
TEL:059−224−2176
FAX:059−224−2408
登録日 令和01年9月28日

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