みえの文化びと詳細
地域 | 伊勢・志摩地域 |
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名前 | 野嶋 峰男
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プロフィール | 伊勢市在住 木漆工芸作家 【略歴】 1948年 三重県伊勢市生まれ 1977年 初個展 以後名古屋 大阪等にて開催 1979年〜 伊勢市展入選 以後 三重県展・東海伝統工芸展・日本伝統工芸展・ 伝統工芸木竹展・伊丹クラフト展・天展 他多数 現 在 (公社)日本工芸会正会員・東海支部幹事 【選抜展】 1981年 第2回ヤマハ葛城工芸展 1987年 87はこで考える遊びの木箱展 1998年 第2〜6回三重の代表作家たち展(〜2012年) 2003年 工芸家の大正、昭和、平成展(その系譜と今をときめく作家たち) 【受賞歴】 1979年 第26回伊勢市展 伊勢神宮大宮司賞 1980年 第27回伊勢市展 伊勢市長賞 1984年 第19回東海伝統工芸展 名古屋市長賞 1988年 第23回東海伝統工芸展 愛知県教育委員会賞 1990年 第10回天展 奨励賞 1991年 第2回芸文協会新人美術展 奨励賞 1992年 第12回天展 奨励賞 1993年 第4回芸文協会新人美術展 佳作賞 1994年 第41回伊勢市展無鑑査 特別賞 2000年 第47回伊勢市展無鑑査 特別賞 2005年 第57回三重県展 岡田文化財団賞 2007年 第38回東海伝統工芸展 名古屋市教育委員会賞 2007年 第59回三重県展 中日新聞賞 2013年 第64回三重県展 優秀賞 【表彰歴】 平成23年度三重県文化賞 文化功労賞 平成26年度三銀ふるさと三重文化賞 【収蔵】 北海道立旭川美術館 |
記事 |
1975年、今から40年前に伊勢の地で木漆工房を開き、環境にやさしい生活の道具を作り続けている野嶋峰男さん。この地域では、もう一軒となってしまった拭漆(ふきうるし)の伝統を守り続けてみえます。その作品を手に取ると、漆の独特な優雅さと艶、手触りの良さが伝わり、また木目の美しさや手作りならではの微妙な曲線など、その使いやすさと美しさの両面を味わうことができました。 ●拭漆との出会い● 環境にやさしいもの、燃やしても害にならないものをと思い“木”を使ったものづくりに関心をもちました。そのきっかけとなったのが、二十歳代後半、モーリシャス島へ旅した時のこと、そこで日本のものと思われるプラスチック製の洗剤入れを、現地の人々が水筒として使用していたのを見て衝撃(ショック)を受けたのがきっかけとなりました。 一番はじめの作品は、親友の子どもさんに木のおもちゃを作って贈りました。その後、生活全般に使用できるものは作れないかと思い、いろいろな生活の道具や家具づくりに挑戦しました。 常に地球にやさしいものをと考え、塗装をするなら自然の中で採れるもの、“漆”がいいと考え、当時の伊勢市工芸指導所へ通って漆の入手方法や扱い方などについて学びました。 ●拭漆(ふきうるし)とは?● 塗装方法のひとつで、漆の木から採取した樹液である漆を、欅や栃の木などで作った器物に塗り、紙や布で拭き取って何度も何度も少しずつムラなく塗り重ね、木目を一層美しく見せるための技法です。何度も塗っては拭き取る作業を繰り返すことで、木地の上に薄い漆のまくをつくっていくので、剥がれにくいということもあります。 漆塗りの効果としては、防虫効果、表面の保護(キズが付きにくい)ということが挙げられます。またそれだけではなく、その器物の木目をさらに美しく見せる効果や、二代三代にわたって大切な品物を長く使い続けることができ、修理・再生もできるという効果もあります。 ●今後の活動について● 現在、年に1度中学校からの依頼があり、『匠に学ぶ』という講座で木工教室を開催しています。次世代の人に木の製品のよさを伝え、豊かに暮らすにはどうしたらいいかということを今後も伝え続けていきたいと思っています。 また、いま考えていることは、幼児や高齢者、障がい(ハンディ)を持つ人にもやさしい食器、例えばスプーンについていえば、木でできたものだと歯にあたっても“キーン”とした感じがないので、そういった人にやさしい生活に密着した道具をつくり出していきたいと考えています。 朱塗蓮葉筐 欅拭漆飾箱 |
問い合わせ先 | 住所 伊勢市植山町6 電話 0596−37−2276 |
ホームページ | |
取材機関 | 南勢志摩地域活性化局 |
登録日 | 平成27年8月7日 |