高橋由一「左官」:X線連動比較画像

イタリア人画家フォンタネージが来日すると、高橋由一は彼のアトリエを訪れ教えを受け、表現技術を飛躍的に向上させました。この《左官》はフォンタネージと出会った年より前に描かれたと考えれているとおり、白色絵具の扱いなどに、一貫性が見られません。しかし、描き始めの段階から完成まで、構図の変更はほとんどなく、また軽妙な描き方は由一らしいと言えます。画面下辺には大きな欠損があります。おそらく水分や湿気などで布の繊維が弱まったためだと思われます。