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ルドン、オディロン「アレゴリー−太陽によって赤く染められたのではない赤い木」:X線連動比較画像   作品詳細

二人の人物よりも赤い木のほうが比較的白く写っています。人物にはシルバー・ホワイトなど原子量の大きい絵具が使われず、赤い木は原子量の大きい硫化水銀を含むバーミリオンを使用しているためであると考えられます。20世紀初頭、フォーヴィスムをはじめとする実験的で先進的な作品を描く画家たちが次々と登場しましたが、ルドンもそうした画家のひとりであったことが技法上でもうかがうことができます。本作品も、キャンバス布の画面だけを残し、残りの側面部はすべて切り取られ、裏に新たな布を1枚張りこむ、いわゆる裏打ちの修復がなされています。