焼芋屋
コレクション |
長原担氏寄贈 |
---|---|
ジャンル |
- |
作者名 |
長原孝太郎 NAGAHARA Kotaro |
制作年 |
制作年不詳 |
材料 |
水彩、インク・紙 |
寸法 |
23.0×30.6 |
署名 |
- |
寄贈者 |
長原坦氏寄贈 |
来歴 |
- |
初出展覧会 |
白馬会第1回展(1896) |
作品名欧文 |
Vendor of Roasted Sweet Potatoes |
関連資料 |
解説 |
長原孝太郎は美濃国(現・岐阜県)生まれの画家。号は止水。少年期より幅広い教養を身に着け、1883(明治16)年から不同舎にて油彩画を学ぶ。長原は油彩画から戯画にいたるさまざまな分野に挑戦し、自らの筆を媒体に適った様式に一変させる器用さを見せた。風刺漫画雑誌『とばゑ』の編集を行ったことでも知られる。 1896(明治29)年、長原は白馬会の結成に参加。本作は「狂画」、つまり漫画や戯画に類する作品として、同年の第1回白馬会展に出品された3点のうちの一点。気負いのない筆で、今にも蒸し上がらんとする芋に老若男女や犬猫が群がる様が活写される。白髪の男性が持ち上げる蓋の下からは湯気が立ち、かまどの向こうの人々の姿をぼんやりと霞ませる。甘い香りと幸せに包まれた画面である。 サツマイモは、明治維新後に人口が急増した東京において、米より安く価格変動の少ない食糧として重宝された。焼芋屋の繁盛の背景には、市民のそうした懐事情もあったと言われる。 (鈴村麻里子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) |
---|---|
展覧会歴 |
白馬会第1回展 映画伝来ーシネマトグラフと<明治の日本>(渋谷区立松濤美術館、兵庫県立近代美術館、福岡県立美術館 1995) 白馬会 明治洋画の新風(ブリヂストン美術館、京都国立近代美術館、石橋美術館 1996) ミュシャと日本、日本とオルリク(千葉市美術館、和歌山県立近代美術館、岡山県立美術館、静岡市美術館 2019-2020) 美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ(三重県立美術館 2021) |
文献 |
木下直之「―絵と語る― 百物館名物記」『淡交』1996.2 |