夜の一力(下絵)


コレクション

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ジャンル

その他

作者名

宇田荻邨
UDA Tekison

制作年

1919(大正8)年

材料

淡彩・紙

寸法

139×140

署名

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寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

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初出展覧会

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作品名欧文

The Tea-house Ichiriki in the Evening (Study)
関連資料

解説

「一力」とは、あの名高い京都祇園の一力茶屋のことである。しかし、たとえ一力であっても、全く人気(ひとけ)のない建物だけを描いているのは、やや奇妙な感じを受ける。
 この大下絵は、画家が本画にかかる一歩手前の最終段階の下絵であり、本画とは寸法もほぼ同じ、構図上もほとんど変更はない。本画には、建物に隠れるように女芸人の姿が描き加えられているが、両者の真の違いは実は次の点にある。
 下絵ではごく普通の建物である一力が、本画では、建物の内部からぼうっとにじみ出てくる光によって、まるで奇妙な生き物のような表情さえ帯びている。一力の建物によって荻邨の描きたかったもの、それはこのどろりとした独特の光と夜の雰囲気なのであろう。この時期、荻邨は夜の情景をしばしば手がけている。 (土田真紀 中日新聞 1993年6月11日掲載)

展覧会歴

本画と下絵―宇田荻邨と近代日本画(三重県立美術館 1992)no.1-1-iii
珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
宇田荻邨と中谷泰展(松阪市文化財センター 2010)cat.荻邨no.1
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)
コレクションによる特別展示 #StayMuseum ステイミュージアム(三重県立美術館 2020)

文献

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