木の間よりの風景
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
萬鐵五郎 YOROZU Tetsugoro |
制作年 |
1918(大正7)年頃 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
54.3×45.5 |
署名 |
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寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Scene Viewed between Trees |
関連資料 |
解説 |
岩手県土沢に生れて東京に出た萬が一家をあげて故郷に帰る。再度上京することになるまでの約三年の雌伏のあいだに、萬は樹木と村落を主要なモチーフにした風景画を数点描いている。この《木の間よりの風景》の制作は1918(大正7)年だが、おなじ年に描かれたもうひとつの《木の間風景》とくらべると、おなじ対象をちがったスタイルで描きわけたようにさえみえる。自然の細部にこだわらず、その全体に生命の運動をみようとするのが《木の間風景》だとすると、《木の間よりの風景》のほうは、いわばそういう前衛的な実験から一歩さがって、幽明さだかならぬレンズを通して、風景としての自然をとらえようとしている。ところが、土沢という土地の霊がどちらにあらわれているかといえば、むしろ写実風にえがいたつもりの《木の間よりの風景》のほうなのである。どこにもある風景のようで、ここにしかない、そんななにかが紙背に透視されて、それがじっと黙っているような気がしてくる。(東俊郎)(三重県立美術館所蔵作品選集(2003)より) |
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展覧会歴 |
萬鐵五郎展(小田急百貨店 1972) no.88 生誕百年記念 萬鐵五郎展(神奈川県立近代美術館、三重県立美術館、宮城県美術館 1985) no.87 大正期の美術―ロマン主義の展開(浜松市美術館 1986) no.23 日本油彩画の独自性を求めて(東京都美術館 1989) no.102 “萬鐵五郎と郷土の造形” 萬鐵五郎多面体展(萬鐵五郎記念館 1994) no..B-3 萬鐵五郎展(東京都国立近代美術館、京都国立近代美術館、岩手県立博物館 1997) no.136 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.22 萬鐵五郎展(岩手県立美術館、萬鉄五郎記念美術館、神奈川県立近代美術館、新潟県立近代美術館 2017) コレクションによる特別展示 春をまちわびて 美術から考える自然との調和(=エコロジー)(三重県立美術館 2022) |
文献 |
『萬鐵五郎』(日動出版部 1974年) no.49 『アサヒグラフ別冊美術特集 日本編67 萬鐵五郎』(朝日新聞社 1991年) |