ラ・ロシュ=ブロンの村(夕暮れの印象)
コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
モネ、クロード MONET, Claude |
制作年 |
1889年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
73.9×92.8 |
署名 |
左下:Claude Monet 89 |
寄贈者 |
公益財団法人岡田文化財団寄贈 |
来歴 |
Laurence Minot, Boston, c.1892Vredenburgh MinotMrs Katherine TingleyTheosophical University of California, PasadenaCurtis, Pasadena, 1957Wildenstein and Co., New York |
初出展覧会 |
Monet-Rodin, Galerie Georges Petit, Paris, 1889, no.140(?). |
作品名欧文 |
Le village de la Roche-Blond, Effet du soir |
関連資料 |
解説 |
1886年最後の印象派展たる第8回展で話題をさらったのは、ジョルジュ・スーラ(1859-1891)の《グランド・ジャット島の日曜日の午後》(1784-86)であった。色彩理論を背景に印象主義の筆触分割を体系化し、整然と配置された点描によって構成された画面は、喧しい批評家のみならず、同時代の画家達にも大きな衝撃を与えた。他方ではポール・セザンヌ(1839-1906)はより堅固で永続的な画面を構築せんと、印象主義の瞬間性に背を向けつつあった。そして印象主義の牽引役を任じたモネ自身も自らの道を模索していた。批評家のギュスターヴ・ジェフロワ(1855-1926)からクルーズ峡谷への誘いを受けたのもちょうどその頃である。パリから南へ300キロほどのこの地に、初めはほんの2,3週間の気晴らしの旅のつもりが、結果として3ヶ月以上も足を止めることとなる。この間画家が完成させた作品は20点を越え、うち14点は1889年6月に開かれたオーギュスト・ロダン(1840-1917)との大規模な合同展に出品されている。 ここには、かつて画家を捕らえたような、水面のきらめきや大気の震え、都市の快楽にいそしむ人々の姿はない。画家自ら「ひどく暗」く、「陰鬱」であると称した景色は、新たな一歩を踏み出さんとする悲壮なる決意の投げる影であろうか。批評家達もこれに応え、大いに画家の新しい試みに驚嘆し、「並ぶもののない威厳」と「最も並外れた完成度」と賞賛した。(生田ゆき)(三重県立美術館所蔵作品選集(2003)より) |
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展覧会歴 |
Monet-Rodin, Galerie Georges Petit, Paris, 1889, no.140(?). Monet, St. Botolph Club, Boston, 1892, no.20. Monet, Copley Hall, Boston, 1905, no.26. Monet, Museum of Fine Arts, Boston, 1911, no.39. モネ展(ブリヂストン美術館、名古屋市美術館、ひろしま美術館 1994)no.50 ブーダンとオンフルールの画家たち(Bunkamuraザ・ミュージアム、三重県立美術館、茨城県近代美術館 1996-97)no.181 モネと水辺展(大丸ミュージアム東京、笠間日動美術館 1997)no.20 (財)岡田文化財団設立20周年記念展(三重県立美術館 1999)no.1-2 モネ展(山口県立美術館 2001) no.27 Monet I luoghi della pittura(Casa dei Carraresi, Treviso 2001) モネと印象派の画家たち-パリ・マルモッタン美術館コレクションを中心に-(高知県立美術館、島根県立美術館 2003) no.19 秘蔵の名品アートコレクション展(ホテルオークラ東京 2004) 第1回印象派130年記念 モネ-光の賛歌-(奈良県立美術館 2004) 岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004) 印象派を超えて―点描の画家たち~ゴッホ、スーラからモンドリアンまで (国立新美術館 2013 広島県立美術館 愛知県美術館 2014 ) 開館20周年記念 うつくしいくらし、あたらしい響き クロード・モネ(アサヒビール大山崎山荘美術館 2016) 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) モネ それからの100年(名古屋市美術館 横浜美術館 2018) 黄昏の絵画たち(山梨県立美術館 島根県立美術館 神戸市立小磯記念美術館 2019) |
文献 |
Letter, no.950(?). Arsene Alexandre, Claude Monet, Paris, 1921, p.88. Daniel Wildenstein, Claude Monet Biographie et Catalogue Raisonne, Tome III: 1887-1898 Peintures, La Bibliotheque des Arts, Lausanne-Paris, 1979, no.1238. Gustave Geffroy, Monet, sa vie, son oeuvre, Macula, 1980. D.Wildenstein, Monet, vie et oeuvre, vol.V, Lausanne and Paris, 1991, pp.47, 114, D.374. |